木曽シュミットシンポジウム2018開催

木曽シュミットシンポジウム2018が、7月10日・11日に、上松町ひのきの里総合文化センター 大会議室にて開催され、48名の参加がありました。次期超広視野高速CMOSカメラTomo-e Gozenに関する講演を中心に、KWFC、2kCCD、写真乾板のデータを用いた講演など多岐にわたる内容の33件の発表が行われました。
昨年10月にTomo-e Gozen Q0カメラが、今年2月にQ1カメラが動き出したのを受け、今回のシンポジウムでは試験観測のデータが披露されました。試験観測データを用いた成果の発表もあり、Tomo-e Gozenカメラの開発が着実に進展している様子が伺えました。 また、太陽系内の小天体から重力波源、X線天体などの高エネルギー天体まで多岐にわたる分野の観測提案があり、Tomo-e Gozenカメラの可能性の広さが感じられました。高速撮像を活かした観測提案が多くみられたのも印象的で、本格運用に向けて期待の膨らむ研究会となりました。

Kiso Schmidt Symposium2018


■ 7月10日[火]講演内容

09:40-09:45  所長挨拶
[木曽観測所 小林尚人]
09:45-10:05  観測所報告
[木曽観測所 青木勉]
10:05-10:25  Tomo-e Gozen計画
[木曽観測所 酒向重行]
10:25-10:35  Tomo-e Gozen バックエンドの現状報告
[木曽観測所 大澤亮]
10:35-10:55  Tomo-e Gozen 科学試験観測クイックサマリ
[木曽観測所 大澤亮]
10:55-11:15  Northern Sky Transient Survey with Tomo-e Gozen
[木曽観測所 諸隈智貴]
11:15-11:35  Supernovae with Tomo-e Gozen
[甲南大学 冨永望]
13:05-13:25  かなた望遠鏡による爆発直後のIa型超新星の観測とTomo-e Gozenへの期待 [広島大学 川端美穂]
13:25-13:45  Searching for peculiar signals of early-phase type Ia supernovae and their implications [東京大学 姜継安]
13:45-14:05  Tomo-e Gozenによる可視パルサーサーベイ
[東京大学 一木真]
14:05-14:25  木曽広視野CMOSカメラによるふたご座領域の高速撮像サーベイ [東京大学 猪岡皓太(代理発表 酒向)]
14:45-15:05  Tomo-eを用いた戦略的観測がつまびらかにする太陽系の『果て』 [国立天文台 有松亘]
15:05-15:25  地球接近天体2012 TC4の観測:木曽広視野カメラTomo-e Gozenを用いた高時間分解ライトカーブ [日本スペースガード協会 浦川聖太郎]
15:25-15:45  Tomo-e Gozenと重ね合わせ法による高速移動微小NEOのサーベイ観測計画 [日本スペースガード協会 奥村真一郎]
15:45-16:05  Tomo-e Gozen による高速移動NEOの広域サーベイ
[東京大学 小島悠人]
16:25-16:45  MUレーダーとTomo-e Gozenおよび超高感度カメラを用いた微光流星の同時観測 [日本大学 弘田旭]
16:45-17:05  高速で自転する白色矮星とTomo-e Gozen
[東京大学 川名好史朗]
17:05-17:25  MAXI-NICER連携で開拓するX線突発天体の時間領域
[中央大学 岩切渉]

■ 7月11日[水]講演内容

09:40-10:00  Status of KAGRA
[東京大学 宮川治]
10:00-10:20  Observations of Gravitational Wave Sources with Tomo-e Gozen [東北大学 田中雅臣]
10:20-10:40  Emission from free neutron layer in binary neutron star merger [東京大学 茂山俊和]
11:00-11:20  「巴御前」で探して「晴明」で追究する超新星・ニュートリノ源・重力波源 [京都大学 太田耕司]
11:20-11:40  埼玉大学SaCRA望遠鏡・装置と突発天体観測対応の現状
[埼玉大学 秋田谷洋]
13:00-13:20  Fast Radio Burstの対応天体探査
[国立天文台 新納悠]
13:20-13:40  Deeper, Wider, Faster
[New York University Tyler Pritchard]
13:40-14:00  可視光多バンド測光モニタ観測によるPG 2308+098の降着円盤サイズ測定 [東北大学 小久保充]
14:00-14:20  シュミット乾板のディジタルアーカイブ
[一橋大学 中嶋浩一・国立天文台 宮内良子]

■ ポスター



木曽シュミットシンポジウム2018 -2nd circular-

東京大学大学院理学系研究科附属 天文学教育研究センター木曽観測所では、当観測所を用いた観測・研究の発表や議論の場として「木曽シュミットシンポジウム」を毎年開催しております。

木曽観測所では、下記のように、特徴ある小望遠鏡を活用した先鋭的な観測研究を展開しております。

  • 木曽シュミット望遠鏡の全焦点面(φ9度)を覆い、計20平方度の視野を最大2Hzで観測できる超広視野高速CMOSカメラ(Tomo-e Gozen)を開発
  • 2018年3月に1/4実機(Q1,視野5平方度)ファーストライト成功、観測継続中
  • 2018年度中にTomoe-e Gozenフル稼働(20平方度)の予定
  •  
  • 2017年3月におよそ40年にわたり実施してきた共同利用観測を終了、Tomo-e Gozenによる共同研究ベースの運用へ移行
  •  
  • 自動観測(キュー観測)により,遠隔地からの観測も可能

シンポジウムでは、Tomo-e Gozenの特性を活かした研究提案・議論、これまでの研究成果の報告などを行う予定です。

今年度は、 昨年度に引き続き、本格運用を控えた『Tomo-e 時代のサイエンス』が重要なテーマとなります。
これまでに、Tomo-eの広視野と高速性を活かした「超新星の2時間頻度の全天探査」、「重力波源の可視広視野探査」、「短時間フラッシュ、フレア、減光現象の広視野探査」、「太陽系外縁小天体の掩蔽の高頻度(>2Hz)広視野探査」、「微光流星の統計的観測」、「地球近傍の高速移動天体の観測」などの検討をすすめており、高エネルギー天体から太陽系小天体にいたる幅広い分野で新しい科学領域の開拓が期待されます。

これまでシュミット望遠鏡を利用されたことのない方も含めて、多くの皆様のご参加をお待ちしております。

※観測装置、自動観測についての情報は、これまでのシンポジウムでの資料が当Webページにありますので、そちらをご参照ください。

シンポジウム日程

日時 : 2018/7/10(火) 9時30分 - 7/11(水) 14時30分ころ終了予定
場所 : 上松町ひのきの里総合文化センター(中央本線上松駅前)
講演 : 口頭/ポスター
各口頭講演の時間は20分程度を予定
懇親会: 初日の講演終了後に会場もしくは会場周辺にて懇親会を
計画しております(会費3,000円程度)
     

(注)

  1. 会場のある上松の町には温泉宿などの宿泊施設が複数ありますので、ぜひご利用ください。
    宿泊案内のページ(木曽路.com)
  2. 宿泊施設の多い隣駅の木曽福島駅周辺に宿泊し,電車で移動していただくことも可能です.
    宿泊案内のページ(木曽町観光協会)
  3.  
  4. 木曽観測所にご宿泊いただくこともできます。一部の方は相部屋となりますので予めご了承ください。 個室のご利用を希望される方は観測所までご相談ください。
    ※1泊あたり2,000円(個室は4,000円)程度
    ※食費は別途。詳細はお問い合わせください。
  5.  
  6. 観測所に宿泊される方は、前日7/9およびシンポジウム当日はJR木曽福島駅および会場と観測所間は公用車他で送迎いたします。
    前日7/9は下記の時間にお集まりください。
    • 7月9日 16時30分 JR木曽福島駅
    この時間に間に合わない方は事前にご相談ください。基本的には自費での移動をお願いいたしますが、複数名いらっしゃる場合は送迎を調整いたします。
  7. 旅費希望者には出来る限りの配慮を致します。申込フォームからご申請ください。

参加申込

参加希望の方は、下記の申込ページから参加・講演申込を行なってください。

参加・講演申込ページ

申し込み締め切り

  
  • 講演・懇親会・旅費補助: 6/22(金)
  • 参加のみ       : 6/29(金)

参加申し込み・問い合わせ宛先

    kisosymposiumkiso.ioa.s.u-tokyo.ac.jp