概要

木曽観測所  全景

▼ 沿革と現状

木曽観測所は1974年(昭和49年)4月11日に東京大学東京天文台の5番目の観測所として開設されました。1988年(昭和63年)7月1日に東京天文台が国立天文台に改組されたのに伴い、木曽観測所は理学部附属天文学教育研究センターの観測所となりました。現在の正式名称は、「東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター木曽観測所」です。観測所の設立目的は以下の通りです。

『木曽観測所は105cmシュミット望遠鏡による銀河系内外の諸天体の観測的研究、並びに夜天光の観測を行なう。木曽観測所は、全国の天文学研究者の観測研究にも供する。』

105cmシュミット望遠鏡を主要設備とする木曽観測所は、設立以来全国の関連研究者に門戸を開放して実質的な共同利用に供する形で運営されてきました。1988年の改組により共同利用研究者のための旅費の予算措置がとられ、名実共に共同利用が認められました。

105cmシュミット望遠鏡ドーム

木曽観測所では開所以来長い間写真乾板が観測の主流でした。しかし、より深い広視野撮像観測に対する研究者の要求は強く、最新の固体撮像素子技術を導入して、微光天体を高感度かつ精密に測定する必要が生じました。このため、1987年に1KCCDカメラの開発が開始され、1993年度から共同利用に供されるようになりました。さらに、1993年度からは2KCCDカメラの開発計画がスタートし、1997年度から試験公開、1998年度からは一般公開が開始されました。 2012年4月には、約4平方度の視野を持つ超広視野モザイクCCDカメラ(KWFC)による共同利用観測が始まり、KWFCの高いサーベイ能力を活用した大規模観測プログラムも実施されました。2014年度からは、キューシステムを用いた「自動観測」を実施し、より効率よく観測が行えるようになりました。天候や観測条件に応じて、 キューに登録した観測を自動実行し、リモートでどこからでもモニタ可能となっているため、 長期間に渡るモニタリング観測や、サーベイ観測に威力を発揮しています。

現在は、2018年度の運用開始に向け、次期超広視野CMOSカメラ"Tomo-e Gozen"の開発を進めています。Tomo-e Gozenカメラは、シュミット望遠鏡の全視野である直径9度の視野を覆う、究極の広視野カメラです。さらに、1秒以下の間隔で撮像する「動画観測」が可能であるため、これまでの天文学では見ることのできなかった領域の開拓が期待されます。Tomo-e Gozenカメラの運用開始に向け、2016年度で全国共同利用を終了し、2017年度からはプロジェクト運用フェーズに移行しました。外部からのプログラム受け入れは"共同研究"という形で継続し、シュミット望遠鏡の特長を活かした研究を精力的に実施していきます。

Pin 木曽観測所の全方位(水平360度x垂直180度)パノラマ画像
この画像は東京大学体験活動プログラム 「星空をすべての人のポケットに」において作成されました。

Pin木曽観測所の紹介ビデオ
木曽観測所紹介ビデオ 東京大学大学院理学系研究科が作成した木曽観測所を紹介するビデオ(2011年4月15日作成, 2017年9月7日更新, YouTubeで再生)がありますのでぜひご覧下さい。

▼ 委員会等

木曽観測所に関する事項を審議する為に、「木曽観測所相談委員会」が設けられている。委員会は年1回、次の委員によって行なわれます。

      
2016年度より
氏名所属
中西裕之  鹿児島大学
富田晃彦  和歌山大学
渡部潤一  国立天文台
尾中 敬  東京大学
土居 守  東京大学 天文センター長
小林尚人  東京大学 木曽観測所長
青木 勉 東京大学 木曽観測所副所長

▼ 研究会、出版等

Annual Report of the Kiso Observatory (1998)

観測計画の検討、研究成果の発表、研究者間の情報交換などを目的として、毎年、木曽シュミットシンポジウムを開催しています。木曽観測所の活動は、年1回出版される「年次報告」(東京大学理学部天文学教室と天文学教育研究センター合同出版)にまとめられています。