木曽シュミットシンポジウム2016が7月5・6日に木曽観測所教室にて開催され、 天文学の研究者だけでなく、統計学の研究者、アマチュア天文家も含む合計38名の参加がありました。

初日は、次期超広視野高速CMOSカメラTomo-e Gozenについて、試験機の初期成果、フル稼働時のサイエンスケース、ビッグデータの解析手法など幅広い講演があり、運用方針の議論では数々の有意義なコメントをいただきました。競争的資金の獲得により開発が着実に進んでいるTomo-eへの期待の高さが感じられました。二日目は、現主力装置である広視野CCDカメラKWFCによる観測研究を中心に様々な分野の講演、ポスター発表が行われ、シュミット望遠鏡の広視野、柔軟な運用スタイルを活かした木曽観測所ならではの成果が多数報告されました。懇親会、宿泊場所も観測所であったため、合宿のように終始議論の絶えない活発なシンポジウムとなりました。



7月5日(火)

【観測所報告1】
14:30-14:35 所長挨拶 小林尚人
14:35-14:50 観測所報告 青木勉

【Tomo-e 開発】
14:50-15:05 木曽超広視野高速CMOSカメラTomo-e Gozen開発の進捗報告 酒向重行
15:05-15:20 木曽超広視野高速CMOSカメラTomo-e Gozen試験機の機械系の開発 高橋英則

【Tomo-e サイエンス1: 試験機による初期成果】
15:20-15:40 木曽超広視野高速CMOSカメラTomo-e Gozen試験機による高頻度測光の評価 一木真
15:40-16:00 Tomo-e Gozen 試験機による微光流星の観測 大澤亮
16:00-16:15 Tomo-e Gozen 試験機によるフラッシュの観測 酒向重行

【Tomo-e サイエンス2: 大規模サーベイとビッグデータ解析】
16:35-16:55 Tomo-eによる重力波天体の探査観測 田中雅臣
16:55-17:15 Tomo-eを用いた超新星探査 冨永望
17:15-17:35 データ科学としての天文学:スパースモデリングを中心として 池田思朗
17:35-17:55 Tomo-e Gozen データ中の突発現象の選出 森井幹雄

【討論】
18:15-18:55 Tomo-e Gozen
      -Tomo-eによるサイエンスやデータ解析
      -フィルターセット
      -データ解析の体制強化
     --->議論メモ

19:00- 懇親会


7月6日(水)

08:15-08:55 ドーム・望遠鏡見学

【観測所報告】
09:05-09:20 望遠鏡・KWFCの現況 樽澤賢一

【大規模プログラム】
09:20-09:40 KISOGP 松永典之
09:40-10:00 Kiso Supernova Survey (KISS) 諸隈智貴

【共同利用1 時間変動モニター、超広視野】
10:15-10:35 可視測光・分光同時モニター観測によるアウトフローの時間変動の原因の究明 堀内貴史
10:35-10:55 クエーサーの可視域スペクトル中の偏光成分と変光成分の関係 小久保充
10:55-11:15 超新星残骸G156.2+5.7を縁取るHαフィラメントの固有運動測定 勝田哲

【共同利用2 面光源天体】
11:15-11:30 孤立銀河が周辺の矮小銀河に与える影響 根本明宗
11:30-11:45 近傍渦巻銀河の狭帯域撮像観測とHβフィルター 西浦慎悟
11:45-12:00 狭帯域フィルター撮像観測による惑星状星雲の2次元電離診断手法の確立 三戸洋之

13:00-13:30 ポスターコアタイム

【討論】
13:30-14:00 総合
      -観測所運用
      -Tomo-e時代の運用
     --->議論メモ

14:00-14:10 閉会挨拶 青木勉

ポスター講演

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2016年7月19日更新