2005.09.13 
 

7. マグナム(MAGNUM)望遠鏡

 
 


マグナム(MAGNUM)とは Multicolor Active Galactic Nuclei Monitoring の略で、 活動銀河核の多波長モニター観測を指します。 標高 3055 メートルのマウイ島ハレアカラ山頂に 口径 2 メートルのマグナム望遠鏡を設置し 2001 年 1 月から 観測を開始しました。プロジェクト名のとおり通常は 活動銀河核の多波長モニター観測を行なっていますが、 ときにそれを一時的に中断して 今回のガンマ線バーストのような突発現象の観測も行ないます。

マグナム望遠鏡は東京大学理学系研究科ビッグバン宇宙国際研究センター (センター長:佐藤 勝彦 東京大学教授)の観測施設で、 東京大学、国立天文台、オーストラリア国立大学の研究者によって構成される マグナム計画研究グループ(代表:吉井 讓 東京大学教授)によって 運用されています。

 
 


MAGNUM 望遠鏡所在地
 

 
 


MAGNUM 観測所全景
 

手前のドームにマグナム望遠鏡が設置されており、 望遠鏡には可視光から近赤外線の広い波長域(波長 0.37〜2.2 μm)で 観測可能なカメラが取りつけられています。 今回のように宇宙初期のガンマ線バーストの残光を捕らえるためには ガンマ線バースト発生から早い時期に可視光から赤外線の広い波長を 同時に観測することが重要となりますが、 マグナム望遠鏡では多波長同時測光可能なカメラが 常に運用状態にあることから、 このような研究にもたいへん適していると言えます。

なお右側のコンテナは観測室で、望遠鏡制御や気象情報を解析するコンピュータ があります。左後方に見えるのはマウナケア山頂です。

 
 


1* TOP
2* 解説 1: ガンマ線バーストについて
3* 解説 2: GRB050904 の発生と観測の経過
  解説 3: MAGNUM 望遠鏡が捕らえた GRB050904
4*  図 1: GRB050904 赤外線残光
5*  図 2: 可視赤外線多波長観測
6*  図 3: 赤方偏移の推定
7* 解説 4: マグナム(MAGNUM)望遠鏡