Tomo-e Gozen Q0カメラ ファーストライト!!

2017年10月3日

木曽観測所では、超広視野CMOSカメラ「Tomo-e Gozen」の開発を進めています。 Tomo-e Gozenカメラは最終的に84枚の35mmフルHD CMOSイメージセンサを搭載しますが、 カメラが巨大になるため、四分の一ずつ分けて製作して望遠鏡焦点面にて結合する方式をとります。 本機開発の第一段階として、今回は最初の四分の一の筐体にセンサを4枚だけ搭載した試験機(Tomo-e Gozen Q0カメラ)を製作し、 105cmシュミット望遠鏡へ搭載して試験観測を開始しました。 望遠鏡へのカメラ搭載初日はあいにくの天候で観測ができませんでしたが、翌日10月3日に見事ファーストライトデータの取得に成功しました。

first light image
ファーストライト画像
  はくちょう座 散開星団 M39
露光時間 5.0秒
視野 39.7' x 22.4'
※4枚のセンサのうち望遠鏡視野中央に近い1枚で取得

Tomo-e Gozen Q0 camera
望遠鏡に取り付けられたTomo-e Gozen Q0カメラ(右上の1/4)
3/4(左上、左下、右下)は重量を模擬するダミーカメラ

Tomo-e Gozenカメラは、84枚の35mmフルHD CMOSイメージセンサを用いて、シュミット望遠鏡全視野である直径9°の視野をカバーすることを目指しています。 CMOSセンサは、現在天文観測の主流となっているCCDとは異なり、高速読み出しが可能なため、短い時間で変動する現象捉えることができます。 Tomo-e Gozenカメラが完成すれば、世界初の超広視野高速CMOSカメラとなります。

前回の試験観測から、本機の設計や木曽観測所のネットワーク、計算機環境の整備など、本運用に向けた準備を進めてきました。 今回の試験観測は、本番に近いシステムでの初めての試験になり、これをクリアするといよいよ量産体制に入ります。 ファーストライト観測では、シュミット望遠鏡の球面焦点面に沿って並べたセンサのフォーカスが、4枚のセンサ全てで設計通りに合っていることが確認でき、 順調な滑り出しとなりました。これから約1か月の試験観測でカメラやシステム全体の性能の確認行い、本機完成に向けて着実に進んでいきますので、 Tomo-e Gozenカメラへの応援をよろしくお願いします!

Tomo-e Gozen Q0 and members
Tomo-e Gozen Q0カメラを囲んでの記念写真

cake
ファーストライト観測恒例の…