Tomo-e試験機 ファーストライト!!

2015年11月24日

木曽観測所では、昨年度より次期超広視野CMOSカメラ「Tomo-e Gozen」の開発を本格的に進めています。このたび、8枚の35mmフルHD CMOSイメージセンサを搭載した試験機が完成し、105cmシュミット望遠鏡へ搭載して試験観測を開始しました。そして、望遠鏡へのカメラ取付初日である11月24日に、見事ファーストライトに成功しました。ファーストライトは、ペルセウス座にある二重星団h-χ(散開星団)です。

first light image
ファーストライト画像
  ペルセウス座 h-χ散開星団(NGC869, NGC884)
積分時間 5.0秒
視野 39.7' x 22.4'
※8枚のセンサ中の中央の1枚で撮像。
 左と下の黒い部分はOB画素(遮光画素)。

the moment of first light
ファーストライトに湧く観測室

the moment of first light
Tomo-e試験機のCMOSセンサ。
8枚のセンサを一列に並べている。

Tomo-e Gozenカメラは、84枚の35mmフルHD CMOSイメージセンサを用いて、シュミット望遠鏡の全視野である直径9°の視野をカバーすることを目指しています。CMOSセンサは、現在天文観測で主流となっているCCDとは異なり、高速読み出しが可能なため、短い時間で変動する現象も捉えることができます。Tomo-e Gozenカメラが完成すれば、世界初の超広視野高速CMOSカメラとなります。

今回のファーストライト画像は、まだまだTomo-e Gozenカメラ本来の実力ではありません。ファーストライトの成功によって、様々な問題点も見つかりました。これから1か月の試験観測で、問題点の修正や、カメラの特性評価、そして科学観測まで実現させる予定です。2017年の本機完成に向けて着実な一歩を踏み出したTomo-e Gozenカメラを、応援よろしくお願いします!

Tomo-e PM
Tomo-e試験機を囲んでの記念写真

cake
Tomo-e試験機ファーストライトを祝して☆