梶田隆章先生のノーベル賞受賞を祝して

東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章教授が、宇宙素粒子研究施設「スーパーカミオカンデ」でニュートリノ振動を測定し、ニュートリノに質量があることを証明されたご功績により、ノーベル物理学賞を受賞されました。素晴らしいご功績に対し改めて敬意を表するとともに、心からお祝い申し上げます。

「スーパーカミオカンデ」のある岐阜県・神岡鉱山の地下深くでは、人類初となる「重力波の直接観測」を目指すKAGRA計画(大型低温重力波望遠鏡計画)が進行しています。梶田先生はこのKAGRA計画の研究代表者を務められ、次なる宇宙の謎の解明に向けて邁進されています。木曽観測所では、105cmシュミット望遠鏡の広視野を活かし、重力波放射源を特定するための観測システムを整備しています。突発激変天体の正体を調べる追加観測に有力な武器となる、次期超広視野CMOSカメラ「Tomo-e Gozen」の開発も行われており、KAGRA計画との連携が期待されています。梶田先生は、昨年9月に松本で行われた木曽観測所開所40周年記念式典へお忙しい中足をお運びくださり、祝賀会では「Tomo-e Gozen」カメラへの期待を込めたお言葉を贈ってくださりました。梶田先生をはじめKAGRA計画に関わる皆様のご期待に沿えるよう、木曽観測所一同ますます精進していく所存です。

新たなる物理の解明に向け、梶田先生と宇宙線研究所、KAGRA計画の皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。

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木曽観測所開所40周年記念式典祝賀会にてご挨拶される梶田先生

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木曽観測所開所40周年記念式典祝賀会の締め括りで、
出席者の皆様とともに万歳をされる梶田先生
(中央は濱田総長(当時))

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木曽観測所見学の際の、ドームの前での記念写真
(左から2番目が梶田先生)