SWIMSサイエンスワークショップ開催
現在開発中のTAO6.5m望遠鏡に搭載する近赤外線多天体分光カメラSWIMSについて、2009年の第1回以来、2回目のサイエンスワークショップが開かれました。今回は、観測装置の性能評価も進みつつある中での開催ということもあり、具体的な観測プロポーザルが多岐にわたって提案されました。今後、SWIMSは三鷹での総合性能評価試験を経て、国立天文台ハワイ観測所すばる望遠鏡に取り付け、2015年に実際の性能評価試験や初期観測を行うことを目標としています。その後チリへ輸送され、2017年度のTAO6.5mでのファーストライトを目指します。
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▲ワークショップの様子
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▲議論の様子
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今回のワークショップは、現実的な観測を見据え、招待講演6本を含め、
宇宙論、遠方・近傍銀河、AGN、超新星、系内天体など具体的な観測提案が多く
ありました。
特に高地観測の特徴である近赤外線を切れ目なく観測できるサイトであることや、
SWIMSならではの広視野撮像観測や面分光観測、多天体分光観測など、
装置の性能を十分に引き出されるような実践的な観測提案であり、
SWIMSへの期待の大きさも実感することができました。
なお、TV会議での参加も含め40名の方にご参加いただきました。
日時: |
2013年8月5日(金)9:30-18:20 |
場所: |
東京大学理学系研究科天文学教育研究センター 講義室 |
プログラム: |
時間 |
講演者 |
題目 |
9:30-9:40 |
本原 顕太郎*1 |
TAO/SWIMSの現状と予定 |
9:40-9:55 |
小西 真広*1 |
SWIMS概要 |
9:55-10:02 |
西嶋 颯哉*1 |
検出器 |
10:02-10:09 |
舘内 謙*1 |
フィルタ |
10:09-10:16 |
高橋 英則*1 |
MOSユニット |
10:16-10:23 |
北川 祐太朗*1 |
IFU |
【宇宙論】 |
10:30-11:00 |
戸谷 友則*2 |
(招待講演)FastSoundからSWIMSへ? |
11:00-11:18 |
峰崎 岳夫*1 |
高赤方偏移クエーサーの光度距離測定 |
【遠方銀河】 |
11:18-11:48 |
児玉 忠恭*3 |
(招待講演)SWIMS18サーベイで探る銀河形成の最盛期 |
13:00-13:18 |
但木 謙一*3 |
SWIMS+WFC3による銀河解剖 |
13:18-13:36 |
田中 壱*3 |
"Green Beans" [OIII]輝線天体による原始銀河団探査@z=3.2-3.6 |
【AGN】 |
13:36-14:06 |
長尾 透*4 |
(招待講演)高赤方偏移活動銀河核の広帯域近赤外分光観測
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14:06-14:24 |
鮫島 寛明*5 |
SWIMSで探る活動銀河核電離領域ガスの化学進化
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【近傍銀河】 |
14:40-15:10 |
小麥 真也*3 |
(招待講演)SWIMSとALMAでつなぐ系内と系外の星形成研究
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15:10-15:28 |
斉藤 俊貴*3 |
SWIMSとALMAの分光観測で探る近傍衝突銀河の星形成
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15:28-15:46 |
舘内 謙*1 |
SWIMS/NBF&IFUを用いた近傍銀河の形態形成解明
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【超新星】 |
15:46-16:16 |
前田 啓一*6 |
(招待講演)近赤外域での超新星サイエンス
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【系内天体】 |
16:16-16:46 |
松永 典之*2 |
(招待講演)ミラ型変光星の距離指標・種族指標としての確立をめざして
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16:46-17:04 |
海老沢 研*5 |
銀河面リッジX線放射の起源天体について
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17:04-17:22 |
高橋 英則*1 |
SWIMSで探る大質量星クラスターの構成要素と進化過程の解明
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17:22-17:40 |
福井 暁彦*3 |
SWIMSを用いたトランジット系外惑星の大気観測
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【議論】 |
17:50-18:20 |
今後の進め方など |
講演者の所属に関して
*1:東京大学大学院理学系研究科天文学教育研究センター
*2:東京大学大学院理学系研究科天文学専攻
*3:国立天文台
*4:京都大学
*5:JAXA宇宙科学研究所
*6:東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構
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講演の合間には、現在実験棟において性能評価試験が順調に進められている多天体分光ユニットの動作デモンストレーションも行われました。マスク交換の実際の駆動の際には非常に興味深い反応が得られました。
▲MOSU見学の様子
SWIMSについて詳しい情報は下記をご覧下さい。
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