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東京大学アタカマ天文台 (TAO) 計画

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2008年6月
西村製作所にて望遠鏡組み上げ、観測装置取り付け試験

2009年2月10日発行

1. 今回の試験のまとめ

京都の西村製作所にて、組み上がった1m 望遠鏡の動作試験と近赤外線観測装置 ANIR および中間赤外線観測装置 MAX38 の取り付け試験を行いました。望遠鏡に観測装置をとりつけて双方の基本動作の確認に成功し、チリ輸送に向けて望遠鏡の国内での準備が完了しました。

# メンバー : 峰崎、宮田、本原、酒向、三谷、内一、中村、利川
# 日程 : 2008/05/30-06/09

西村製作所にて組みあがった1m望遠鏡の動作試験の様子。カセグレン焦点には近赤外線観測装置 ANIR が搭載されている。
図1: 西村製作所にて組みあがった1m望遠鏡の動作試験の様子。カセグレン焦点には近赤外線観測装置 ANIR が搭載されている。

2. 望遠鏡の動作試験

  • 望遠鏡基本動作の確認
    • 方位軸、光度軸、装置回転装置、副鏡フォーカス機構、主鏡カバーがスムースに動作することを確認しました。観測装置をとりつけた状態での動作確認もしました。
    • チャナントール山頂で使用予定の Linux PC (実機) を使用してコンピュータのコマンドによって望遠鏡が制御できることを確認しました。

  • 遠隔運用のための設定
    • フォーカスの自動調整のため、望遠鏡各部の温度を測定する温度計を設置しました。また湿度計、監視カメラも設置しました。
    • 通常のコンピュータ制御にトラブルが生じたときにも、最低限度でも望遠鏡を制御できるようにするため、コンピュータによるハンドセットの遠隔制御を実現しました。
    • コンピュータによる望遠鏡制御ラックの停止と再起動を可能にしました。

  • 赤外線性能の向上
    • 副鏡を支えるスパイダーからの赤外線放射の低減のため、スパイダーにのこぎり状の鏡を設置し、熱赤外線カメラによりスパイダーからの赤外線放射低減に効果があることを確認しました。
副鏡を支えるスパイダーに取り付けられた、のこぎり状の鏡。
図2: 副鏡を支えるスパイダーに取り付けられた、のこぎり状の鏡。

3.観測装置取り付け試験

  • 配線、望遠鏡インターフェース
    • 近赤外線観測装置 ANIR、中間赤外線観測装置 MAX38 の制御装置用棚、電源および信号配線、冷凍機のヘリウム配管を設置しました。
    • 望遠鏡や観測装置の姿勢変更において妨げにならないような、配線・配管のルートおよび固定方法を検討し、必要な配線・配管長を測定しました。
    • ANIR、MAX38、および望遠鏡立ち上げ用のテスト CCD カメラがカセグレン焦点に問題なく取り付けられることを確認しました。
    • 望遠鏡高度軸に対する重量バランスは観測装置相互間で共通にしています。

  • MAX38
    • 望遠鏡に設置した状態で真空の維持、冷却、検出器読み出しを確認しました。
    • 望遠鏡を動かして検出器のノイズが増えないことを確認しました。

中間赤外線観測装置 MAX38 をカセグレン焦点に取り付けている様子。 カセグレン焦点に取り付けられた MAX38。
図3: 中間赤外線観測装置 MAX38 をカセグレン焦点に取り付けている様子。 図4: カセグレン焦点に取り付けられた MAX38。

  • ANIR
    • 望遠鏡に設置した状態で真空の維持、冷却、検出器読み出しを確認しました。
    • 望遠鏡を動かして検出器のノイズが増えないことを確認しました。

近赤外線観測装置 ANIR をカセグレン焦点に取り付けている様子。 カセグレン焦点に取り付けられた ANIR。
図5: 近赤外線観測装置 ANIR をカセグレン焦点に取り付けている様子。 図6: カセグレン焦点に取り付けられた ANIR。

(峰崎 岳夫)
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