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東京大学アタカマ天文台 (TAO) 計画

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TAO 6.5m望遠鏡本体の国内見学会と記念講演会を開催

日本国内で行われてきたTAO 6.5m 望遠鏡本体の仮組・調整作業が進み、遂にその全容が現れてきました。そこでチリ現地建設に向けて解体・輸送される前に、天文学研究者と関連企業関係者を対象にTAO望遠鏡本体の国内見学会を行いました。同時に見学会終了後には、仮組場所に程近いあかし市民広場にて市民向けの記念講演会を開催しました。またこの大きな節目を機にTAO拡大技術検討会を行いました。

目次

TAO 6.5m望遠鏡本体国内見学会

兵庫県加古郡播磨町の東亜外業株式会社東播工場の一角において、主製作会社である株式会社西村製作所によりTAO 6.5m望遠鏡本体の国内仮組・調整作業が行われてきました。組み立てられたTAO望遠鏡の高さは約15m、横幅は約16m、総重量は約200t にもなり、広大な工場内においても高くそびえる姿が目立ちます。TAO望遠鏡本体国内見学会は2018年1月28日(日)に同工場内において行われました。ときおり雪がちらつく天候のなか工場内も真冬の寒さでありましたが、国内の大学および共同利用研究機関の天文学研究者とTAO望遠鏡製作に関わる企業の関係者を合わせて約100名の見学者に参加して頂きました。

見学会は午前と午後の2回に分けて行われました。それぞれまず明石市内の明石商工会議所会議室においてTAOプロジェクトの概要とこれまでの経緯についての説明があり、その後東亜外業株式会社東播工場に移動して望遠鏡本体の説明と見学となりました。ほんの数mの目前にそびえ立つ望遠鏡本体の姿をご覧いただくことでTAOプロジェクトの進展を実感して頂き、将来のTAO望遠鏡による研究計画検討の弾みにもなったと思います。また部品製造を担当した企業の関係者からは、最終的に組み上がった望遠鏡を見ることができて感銘を受けたという声も頂きました。ただ望遠鏡本体が近すぎて、見学者のカメラにその全体を収めるのは難しかったかもしれません。

また、見学会の合間を縫ってメディアによる取材が行われました。解説を担当した宮田教授は多数の記者に囲まれ、熱心な取材を受けました。当日にはテレビ・新聞など各社により報道され、TAOプロジェクトの進展と6.5m 望遠鏡本体の姿が日本中に届けられました。この報道をご覧になった海外の研究者からもお祝いの連絡をいただきました。

最後に、本見学会の準備と運営にご協力いただいた株式会社西村製作所、株式会社きしろ、ほか関係各社のみなさま、また工場内での見学会開催をご快諾いただいた東亜外業株式会社にお礼を申し上げます。

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▲ 明石商工会議所で開催されたTAOプロジェクト概要説明会の様子
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▲ 東亜外業株式会社東播工場にてTAO 6.5m望遠鏡の説明をする峰崎助教(左)と宮田教授(右)
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▲ TAO 6.5m望遠鏡国内見学会に参加いただいた皆様

TAO 6.5m望遠鏡本体完成記念講演会

同日、TAO望遠鏡本体の国内見学会の終了後に市民向けの記念講演会を開催しました。明石駅前のあかし市民広場の開催とあって、用意した120席は全て埋まり立ち見が出るほど多くの方に来場いただきました。

まず主催である東京大学天文学教育研究センターの土居センター長の挨拶の後、共催いただいた明石市の泉市長よりご挨拶をいただきました。引き続き、明石市立天文科学館の井上館長から望遠鏡と宇宙観測についてご講演いただいた後、明石市出身のTAOプロジェクトメンバーである上塚特任研究員からTAO望遠鏡とTAOが切り開く天文学について講演がありました。直後にブラック星博士が登場し、軌道星隊シゴセンジャーと一緒に楽しいクイズ大会を展開、子供たちも大活躍で会場が大いに盛り上がりました。最後に東京大学天文学教室の田村教授から太陽系外惑星と地球外生命探査の研究の最先端について講演があり、記念講演会は盛況のうちに終了しました。

なおあかし市民広場においては、当日午前中から講演会終了までTAOプロジェクトに関する各種の展示を行いました。展示の目玉は口径6.5mのTAO望遠鏡の主鏡の実物大のシートです。シートに上がって主鏡直径6.5mの大きさを間近で体験することで、TAO望遠鏡の巨大さが実感できたかと思います。その他、TAOプロジェクトの説明パネルやTAO望遠鏡建設サイトであるチャナントール山周辺のジオラマ、TAO望遠鏡の模型等の展示を行いました。

最後に、本講演会の準備と運営にご協力いただいた明石市、株式会社西村製作所、株式会社きしろ、明石市天文科学館、明石観光協会のみなさまにお礼を申し上げます。

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▲ TAO6.5m望遠鏡本体完成記念講演会の様子。講演は手話通訳・要約筆記も行なわれた。右下に見えるのが口径6.5mのTAO望遠鏡の主鏡の実物大のシート。
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▲ ご挨拶いただいた明石市の泉市長
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▲ 講演会を盛り上げていただいた軌道星隊シゴセンジャーレッド、東京大学上塚特任研究員、東京大学田村教授、ブラック星博士(左から)

TAO 6.5m望遠鏡本体完成記念講演会
日時1月28日(日)16:00-18:00
場所あかし市民広場
主催東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター
協賛株式会社西村製作所、株式会社きしろ
プログラム - 司会:本原顕太郎(東京大学准教授)
- 開会の辞:土居守(東京大学天文学教育研究センター長)
- 挨拶:泉房穂(明石市長)

「天体望遠鏡が切りひらく宇宙の地平線」井上毅(明石市立天文科学館館長)
「あかしからアタカマへ、はばたけTAO望遠鏡」上塚貴史(東京大学特任研究員)
「ブラック星博士の特別講座?」ブラック星博士
「第二の地球に宇宙生命を探せ」田村元秀(東京大学教授)

第四回TAO 拡大技術検討会

TAO望遠鏡本体の国内仮組という大きな節目を迎えたことを機に、東京大学のTAOメンバーとTAO望遠鏡製作に関わる企業が集まり第四回目となるTAO拡大技術検討会を行いました。望遠鏡見学会後の遅い時間となったためご都合のつく各社での短時間の会となりましたが、TAOプロジェクト代表の吉井名誉教授による挨拶と状況概説に加え、望遠鏡本体部品の機械加工を担当された株式会社きしろの松本社長には結びの言葉をいただき、今後のチリ現地での TAO 望遠鏡建設と天文学の研究推進に向けて意気上がるものになりました。

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