東京大学アタカマ天文台 (TAO) 計画 |
東京藝大フィルによる日本チリ修好120周年記念演奏会目次サンチアゴでの記念演奏会2017年は日本チリ修好通商条約締結による外交関係樹立120周年にあたり、それを記念する文化交流事業のハイライトとして6月に東京藝大フィルハーモニア管弦楽団による演奏会がサンチアゴで行われました。2017年は藝大創立130周年でもあり、藝大フィルとしては2重にお祝いする特別な演奏会となりました。 この経緯は、2015年12月6日に藝大で行われた「障がいとアーツ」メインコンサートの中でTAOプロジェクトが提供したアタカマの天体映像と藝大フィル演奏のコラボレーションが切っ掛けとなり、その翌年にチリの日本大使館からTAOプロジェクトに音楽企画の相談があり、藝大の賛同を得て2017年に実現したものです。 当初はサンチアゴ市立劇場だけでの演奏会と考えていましたが、やがてチリ大統領府の知るところとなり、チリ青少年音楽財団 (FOJI) から招聘され、またTAOプロジェクトを推進する東大と長年の協力関係にあるチリ大学からも招聘されたことから、幸運にも文化庁が主催に加わる二国間の大イベントに発展することになりました。 随行者を含め総勢81名の海外遠征で、6月23日の正午からモネダ文化センターの中央ホール(オープンスペース)にてFOJI管弦楽団との合同演奏、6月24日と25日は歴史的建物であるサンチアゴ市立劇場にて19:00開演、27日はチリ大学藝術文化センターの劇場にて19:40開演でした。 藝大フィルと和太鼓奏者林英哲の共演は圧倒的な迫力で劇場は大歓声に包まれました。またスメタナ作曲《モルダウ》の美しい旋律に同期させて大スクリーンに標高5640mTAOアタカマの天の川を投影するという音を映像化する新しい試みは、劇場に幻想的な雰囲気を醸し出し観客を魅了しました。どの公演も市民や日系の方々が詰め掛け満員となり、演奏後には熱狂的な歓声とスタンディングオベーションが続き、大好評のうちに全日程を終了しました。 各公演の当日の雰囲気は以下の藝大速報でご覧になれます。括弧内は観客数。 公演休息日の26日夕刻には、日本大使公邸にて、藝大フィル一行のレセプションが開かれました。平石好伸大使による歓迎の挨拶に続いて、関村直人(東大副学長)、梶田隆章(東大宇宙線研究所長)、松下功(藝大副学長)、吉井讓(東大TAOプロジェクト代表)の各々から挨拶がありました。ここまで3日間連続の公演が好評だったこともあり、楽団員たちはチリワインを楽しみながら、各界からの出席者と歓談していました。翌日に最終公演を控えて、笑顔の中にも意欲溢れる表情を見せていたことが印象的でした。 特記すべきは、藝大のオーケストラとしては初めての海外公演だったとのこと。また日本のプロのオーケストラが南米で公演するのは、1960年のNHK交響楽団によるアルゼンチン公演以来、約半世紀ぶりだったことなど。日本の音楽史に残る海外公演の企画と実現にTAOプロジェクトが貢献できたことは大変名誉なことでした。 藝大上野での記念演奏会帰国後、チリ公演の成功を伝え聞いた各界から日本での再演を希望する声が上がり、それを受けて、11月7日に駐日チリ大使館主催で藝大上野の奏楽堂にて日智修好120周年記念藝大フィル演奏会が開催されました。18:00からの記念式典には政財官の各界から招待者のみ約200名が出席しました。チリ大使館を代表してフェリペ・ディアス臨時代理大使の挨拶があり、日本チリ友好議員連盟の塩谷立会長と外務省の岡本三成政務官からお祝いの言葉をいただきました。19:00からの藝大フィル演奏会には式典招待者を含め総勢千人が来場し、チリ公演を彷彿とさせる素晴らしい演奏に酔いしれました。【演奏会概要】 演奏終了後、招待者を迎えたレセプションでは、まず文化庁の宮田亮平長官から日智両国で開催された藝大フィル演奏会の大成功へのお祝いと関係者へのねぎらいの言葉があり、また東大の羽田正理事から両国の科学藝術連携の益々の発展への期待を込めて乾杯となりました。その後、藝大東大関係者に加え、外務省、文科省、政界、財界、各種友好団体等々、普段は交流の少ない異業種間の懇談となり、チリ大使館から提供されたワインを楽しみながら大いに場が盛り上がりました。最後に藝大の澤和樹学長から公演実現に協力された全ての関係者への感謝を込めた挨拶があり、近い将来またこのように相まみえる機会があることを願って宴を終えました。 これまで、日本とチリはTAOプロジェクトを含め科学技術分野で活発に交流が行われていましたが、今回のチリ公演で今後の藝術面での交流へと両国の友好関係を更に深める機会となりました。
チリ公演の詳細日程:2017年6月23日(金)-25日(日)、27日(火)
日本公演の詳細日時:2017年11月7日(火)18:00-22:00
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