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東京大学アタカマ天文台 (TAO) 計画

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望遠鏡シミュレーターでの観測装置傾き試験が行われる

TAOに搭載される観測装置の組み立て・性能評価等を行うために 2011年4月、専用実験棟が三鷹キャンパス天文学教育実験センター本館の南側に建設されました。
実験棟は、大型実験室、精密実験室、遠隔制御室からなり、その中では装置の組み立て、真空冷却実験、シミュレータを用いた観測装置傾き試験、検出器・読み出しシステムなどの開発、遠隔制御のための試験などが行われています。

SWIMSが取り付けられた望遠鏡シミュレーター

▲SWIMSが取り付けられた望遠鏡シミュレーター

今回、大型実験室の望遠鏡シミュレータを用い、近赤外観測装置SWIMSの傾斜試験 (傾き試験)が行われました。これは観測装置が望遠鏡に取り付けられ、 実運用される状態にあるとき、装置そのものがどのように撓んだり どれくらい変形したりするか、角度・方向によってその違いがあるかどうか、 さらに装置内部の光学系の対する影響などを定量化するための測定です。

TAOの観測装置は2トンを超える大きな観測装置であり、その構造も 複雑なため、機械的変形などはシミュレーションではわからない箇所 もあります。そのため実際の測定での確認、そして製作へのフィードバックが 必要となります。

FEM1 FEM2
▲SWIMSの構造解析(FEM解析)のシミュレーション結果
(提供:住友重機械工業)

SWIMSの傾斜試験は2013年に2回実施されました(8月23-24日、12月19-21日)。試験は高度方向に装置全体の傾斜角を変えながら、固定点から装置複数点の変形量をレーザー変位計を用いて測定されました。いずれも構造解析シミュレーションとの比較を行い、最終形状最適化のための情報を取得しました。現在、この情報を基に構造体の改良が行われています。
今後は内部光学系、上部多天体分光ユニットなどのコンポーネントを搭載したSWIMS全体としての傾き試験を行う予定です。また、中間赤外装置のMIMIZUKUの傾き試験も2014年に予定されています。

▲望遠鏡シミュレータでの傾き試験の様子

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