miniTAO望遠鏡完成記念式典を開催

口径1mのminiTAO望遠鏡が完成、観測を開始したことを記念して、2010年7月7日、南米チリの首都サンチャゴにて記念式典が開催されました。式典は由緒ある建物で行われ、東京大学、文部科学省、チリ科学技術庁、チリ外務省、在チリ日本国大使館、日本企業などから総勢約140名が出席する盛大なものとなりました。チリ共和国ピニェラ大統領からもTAO計画を激励する祝辞が寄せられました。

▲ miniTAO望遠鏡完成記念式典の会場の様子。右の写真はminiTAO望遠鏡の紹介をする吉井譲TAO計画代表。
▲ 式典では、miniTAOの初期成果として、地上から初観測となる赤外線の波長1.875µmと30µmで撮影された天の川銀河の中心部の画像が紹介されました。

式典に引き続きレセプションパーティが催されました。チリ風にアレンジされた寿司がふるまわれ、普段直接会う機会の少ない日本とチリの関係者の間で交流を深めました。miniTAO望遠鏡の立ち上げまでの思い出話や、今後のTAOプロジェクトに対する期待の言葉が聞かれ、会場は大いに盛り上がりました。また、パーティの中盤では、TAOサイトの建設工事を行った国際航業株式会社とminiTAO望遠鏡設備の設計製造を行った株式会社西村製作所に感謝状が贈られました。

▲ 式典に引き続き行われたレセプションパーティの様子。右の写真は乾杯の音頭をとる三菱重工業株式会社相談役の西岡喬氏。
▲ 東京大学より国際航業株式会社および株式会社西村製作所に感謝状が贈られました。左の写真は、TAOサイトの建設工事に尽力した国際航業株式会社の岩野久香氏。右の写真は、miniTAO望遠鏡設備の設計製造を行った株式会社西村製作所代表取締役の西村有二氏。
▲左の写真は、チリ特産品の銅皿にTAOプロジェクトのロゴマークを刻印したもので、日本から式典に出席いただいた方々に記念品としてお渡ししました。右の写真は、木曾檜の升にTAOプロジェクトのロゴマークを焼印したもので、チリからの出席者にお渡ししました。

また、式典に先立ち7月5日に、miniTAO望遠鏡のあるチャナントール山の麓（標高5000m）やその周辺に設置された国際天文観測プロジェクトALMAなどを訪問・見学するツアーが行われました。ツアーの参加者からは、一面砂漠の風景と酸素の薄さに現地の過酷さを実感し、過酷な環境下で観測する研究者の強い意志に対する驚きの声が聞かれました。 突き抜けるようなアタカマの澄んだ青空を目の当たりにして、壮大なTAOプロジェクト、ALMAプロジェクトに思いをめぐらせた様子でした。

▲ ALMAアンテナのある標高5000mより、正面にそびえるチャナントール山頂のTAOサイトを臨むツアー参加者。左手に見えるのがALMAのアンテナ。

チリでの式典をはじめとした一連のイベントを通して、日本とチリにとってTAO 計画は重要なプロジェクトであるとの認識のもと、口径6.5mのTAO 望遠鏡の実現に向けて両国が結束を強め、今後さらに協力していくことを確認できました。

miniTAO望遠鏡完成記念式典について詳しくは下記からもご覧になれます。

• 東京大学理学部ニュース「南米チリでminiTAO望遠鏡完成記念式典を開催」
• 東京大学学内広報　ニュース　「南米チリの首都サンチャゴにて東京大学miniTAO望遠鏡完成記念式典を開催」（18、19ページに掲載）

また、チリ科学技術庁のホームページでもminiTAO望遠鏡完成記念式典について紹介されました。

• チリ科学技術庁ニュース "En Santiago se realizola ceremonia de "Primera Luz" del telescopio miniTAO " (スペイン語)

miniTAO望遠鏡完成記念式典 式次第