2K-CCD「簡単」観測マニュアル |
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■ 最初に
現在、木曽観測所では、殆どの観測をリモートで行っています。
最初に、望遠鏡制御用のGUIを、次にCCD制御用のGUIを立ち上げ、データ保存用のディレクトリを作成します。
積分時間が5分以内の場合には、オートガイダーなしの観測が可能です。5分以上の場合には、オートガイダーを使用してください。詳細なマニュアルは「オートガイダー」こちらを参照ください。
2K-CCDの観測では、本館観測室にある、パソコン「encke」と「nanawarai」を用いて行います。「encke」では、「ontake」に接続して望遠鏡制御を、「nanawarai」では「ayame」に接続してCCD(messia IV)の制御を行います。
観測支援システムとして、「chausu」で視野モニターを運用しています。視野は53'×44'で、2K-CCDの視野とほぼ同じです。また、降雨警報機やドーム内監視モニターもあります。降雨警報機は1滴の水滴にも反応する優れものですので、是非御活用ください。
さらに強力な観測支援ツールとして、赤外雲モニターも運用中です。ウェブブラウザで「himawari」にアクセスすることで見ることができます。同じページ内に、温度、湿度、風速(本館外部の雨の当らない場所にセンサーがあります)のグラフも表示されます。赤外雲モニターのページは、観測所内LANから見ることが出来ます。
● 望遠鏡制御GUIの立ち上げ
■ 観測
[encke:control]$ ./telgui.sh
実行すると、sshで「ontake」にユーザー「control」でloginする。passwdを入力すると自動的に、ontakeでスクリプトを実行した後、望遠鏡制御GUIが立ち上がる。
● CCD制御GUIの立ち上げと、データ保存用ディレクトリの作成
nanawarai:control> ./2kobs
実行すると「nanawarai」上に iraf を立ち上げ、ds9を開きます。また、自動的に「ayame」にloginし、 ※ログインパスワードを入力する必要がある。パスワードは正面のホワイトボードを参照、データ保存用ディレクトリを/data_klccd_tmp/以下にyyyymmddという名前で作成(>mkdir 20071130↓)します。(すでにある場合には作らない)、引き続き messia制御GUIを別ウィンドウで立ち上げるようになっています。沢山ウインドウが開きますので、ログインパスワード入力ウインドウを見失わないよう気を付けて下さい。
※現在、データの保存場所として「nanawarai」の/data_klccd ディレクトリを使用しています。「ayame」上でも /data_klccd_tmp/ としてNFSマウントしています。
※ 観測期間中に 2kobsを再立ち上げしない場合は、観測日毎に手動でデータ保存ディレクトリをayame上に作成しなければなりません。
ROOT)OBS
これで、制御コマンド入力待ち状態
OBS)
になります。
● 一般的な観測の流れ
● 補足
例1: OBS) filter R # Rフィルターを入れる
例2: OBS) filter # 現在入っているフィルターを表示する
例1: OBS) exp 30 #30秒積分の場合
例2: OBS) bias #biasを取る場合
例3: OBS) bias 5 #biasを5枚連続して取得する場合
● フィルターの種類とフォーカス値との関係(くわしくはこちらをご覧ください)
例1: 視野を東に10'ずらしたい → 「RA+」を10秒押し続ける
例2: 星の位置を200ピクセル上にずらしたい → 「Dec-」を5秒押し続ける
例: /home/klccd/messia4/local% messia_gui &
天体リストの例: AG_Peg 21:51:02.0 +12:37:32.1 2000.0 #区切りはスペースで行います
フィルター名 フォーカス値 測 定 日
2009 3/11
2009 3/11
2009 3/11
2009 3/11
2009 3/11
■ オートガイダ
詳しくはオートガイダーを御 覧ください。
- 「nanawarai」で、オートガイド制御用GUIを立ち上げます。実際には「norikura」に、autoguideコマンドを使ってログインします
[klccd@nanawarai ~]$ ./autoguide
ssh login in kaos@norikura ...
kaos@norikura's password: *****
※ この時、[ds9]ウインドと、[AUTO GUIDER CONTROLLER]ウインドウ(+テキストウインド)が開きます。- おまかせでオートガイドを実行する場合は、GUI中程の[FULL-AUTO GUIDE]ボタンを押します。
- マニュアルでオートガイドを行う場合は、[MANUAL SETUP]の[Get a full images]を押して、画像を取得します。
- [ds9]の画像から、サチっていない星を探して、その X,Y 座標を入力します。
- [Get Image(MANUAL)]を押します。※40 x 40 ピクセルの画像を切り出します。
- [START AUTO GUIDING]を押します。※オートガイドがスタートします。
- オートガイドを中止する場合は新たに開いたウインドウの[STOP GUIDE LOOP]を押します。※オートガイドをストップします。
■ ドームフラット
- 「encke」で、フラットランプ制御用GUIを立ち上げます
encke:control% ./winFLAT- 望遠鏡制御GUIで「Dome Flat」を押し、「new」を選択すると、ドームと望遠鏡がフラット取得用の配置になるよう動き出します
- フラットランプ制御用GUIで、ランプの電源をonにし、ランプの明るさをNDフィルターの値を変えることで調節します ※NDフィルターの変更には時間がかかります
- 積分を開始します
例1: OBS) flat 30 #30秒積分の場合
例2: OBS) flat 5 10 #5秒積分を10枚取得する場合- ドームフラットの取得を終えたら、ランプを消します
フィルターごとのフラット観測の設定(最新版) フィルター名 ND値 積分時間 カウント値 備考 U NONE 300s 10,000 2008.Dec.04 ランプ交換 B 1.0 40s 28,000 2008.Dec.04 ランプ交換 B 1.4 120s 28,000 2008.Dec.04 ランプ交換 V 1.0 15s 29,000 2008.Dec.04 ランプ交換 V 1.4 40s 25,000 2008.Dec.04 ランプ交換 R 1.4 12s 25,000 2008.Dec.04 ランプ交換 I 1.4 60s 27,000 2008.Dec.04 ランプ交換
参考のため、2008年12月04日以前の値を載せておきます。(旧)
フィルター名 ND値 積分時間 カウント値 B 1.4 60s 24,000 2007.Aug.20 ランプ交換 V 1.4 28s 28,000 2007.Aug.20 ランプ交換 R 1.4 8s 26,000 2007.Aug.20 ランプ交換 I 1.4 50s 28,000 2007.Aug.20 ランプ交換
例: ドームフラット用スクリプト ================================= domeflat lamp on filter R flat 30 4 domeflat lamp off end ==================================
木曽観測所では、現在データの保存を目的として、CD-R または DVD-Rを「2部」作成して保管しています。このバックアップメディアの作成は観測者に行って頂いています。
バックアップメディアの作成には「nanawarai」が利用できるようになっています。
バックアップメディアとして CD-R と DVD-R を利用できます。DVD-R を利用する場合には、複数日のデータの保存に使用してください。メディアの作成には、xcdroastを用います。こちらにマニュアル(pdfファイル)を用意してありますので参考にしてください(同じものがnanawaraiにも備え付けてあります)。