Old Stellar Populations in NGC 5128


Rejkuba, Minniti, Silva, Bedding
2002 ApSS 281, 425 - 426




 アブストラクト 

 太陽から最も近い楕円銀河 NGC 5128 の北東部の希薄シェルとハローで、 VLT FORS1 と ISAAC を用いて、恒星を分解した。可視 - 近赤外の色等級図で支配 的な特徴は幅広な赤色巨星枝である。  幅の広さはメタル量に大きな広がりがあることを示唆する。赤色巨星先端光度 を超える明るさの星を多数発見した。これらの明るい星の変光モニターは、それ らがミラと似た長周期変光星であることを示す。



図1.可視-近赤外色等級図。左= F1 領域。右= F2 領域。実線は左から M15 (-2.1 dex), 47 Tuc (-0.7 dex), NGC 6553 (-0.3 dex), NGC 6528 (-0.2 dex) Ferraro et al 2000 より。

 観測と解析 

 観測 

 NGC 5128 = ケンタウルスA=AGN=電波銀河の古い星種族は最近、 Soria et al 1996, Harris et al 1999, Harris, Harris 2000, Marleau et al 2000 などにより研究された。しかし、HSTの視野が狭く、V, I 測光の感度が 低いため、中間年齢星の検出は不確かであった。我々はここに、NGC 5128 の 2領域での深い撮像を報告する。観測は VLT 上の FORS1 と ISAAC を用いて 行われた。第1フィールド F1 は銀河中心から 14 kpc 離れた北東シェルにあり、 第2フィールド F2 は中心から 9 kpc 南にある。データの完全な解析は Rejkuba et al 2001 にある。

 色等級図 

 可視-近赤外色等級図はにはいくつかの利点がある。

(1)RGB と AGB の SED ピークは IR にあるので、他の暖かい星と較べ選びやすい。

(2)バルジと楕円銀河で支配的な高メタル星の近赤外のカラーは主にメタル量で決まり、 年齢・メタル量縮退が弱い。

(3)測光観測結果とモデルの (Mbol, Teff) の変換は近赤外では比較的容易。
 色等級図 

 図1には、二つの領域での K-(V-K) 図を示す。その大きな特徴は幅の広い RGB である。 その幅は測光エラーより大きく、メタル量の広がりを示す。最も低メタルの星の年齢を 銀河系球状星団と同じ程度とすると、それらのメタル量は -2 dex である。高メタル 星の RGB 部は可視測光の不完全度のためはっきりしない。

 長周期変光星の存在 

 第1巨星枝の上に多数の星が検出された。その多くはミラ型星と似た周期と 振幅の変光を示す。これらの長周期変光星は巨大楕円銀河中の真正 AGB 星で ある。赤い変光星の周期と振幅、カラーの分布はそれらが中間年齢星か 、それとも古い高メタル星かを区別するのに有用である。