Luminosity Criteria from Objective-Prism Spectra for Stars from F0 to K5


Nassau, van Albada
1947 ApJ 106, 20 - 27




 アブストラクト

 Warner-Swasey 天文台 24-36 インチシュミット望遠鏡対物プリズム 観測による F0 - K5 スペクトルの光度クラスを決める方法を示す。 スペクトルは λ 3706 から Hγ の間で得た。   F0 から K5 までの 12 スペクトル型について、4つの光度クラスに対する 基準を、吸収線の強度を示す図により示す。この方法による正確なスペクトル 分類は 10 等までの星に可能で、多分それより暗くても行けるだろう。


1.イントロダクション  

  Nassau, Seyfert 1946 は Burrell 望遠鏡 4° 対物プリズムで得たスペクトルの分類法 の一般的な方法を提案した。そこでは G2 より晩期型の星を矮星と巨星 に分ける方法が調べられた。  ここでは、F0 - K5 の星について、4つの光度クラスへの分類を試みる。 この分離の基準はスペクトルの紫外ー青領域を用いる。


 2.観測データ 

 mv = 4 - 6 の星は短時間で良いスペクトルが撮れる。光度が 既知のそういう星を主に観測した。表1にそれらを示す。  全スペクトルは 4° 対物プリズムで得た。分散は λ3700 で 150 A/mm, Hγ で 280 A/mm である。分類はこの波長域で行った。



表1.観測星リスト

 3.分類基準 

 3.1.スペクトル像を使用 


図1.(a) 5 And = F5V, (b) T Vul = F5 Ib, (c) ε Aur = F5 Ia, (d) ι Psc = F8 IV, (e) BD+62°130 = F8 III, (f) 45 Dra = F8 Ib, (g) 72 Her = G2 V, (h) χ Her = G0 IV, (i) π Cep = G0 III, (k) BD+56°2923 G2 Ia



 スペクトル分類の第1の方法は、図1,2のようにスペクトルを直接 並べて示すことである。これは、 "Atlas of Stellar Spectra" で大きな 成功をおさめた。我々の対物プリズムスペクトルの場合には低分散という 問題がある。このため、スペクトルの細かい特徴を見出すことが出来ない。  

図2.(l) BD+66°1281 = G5 V, (m) μ Her = G5 IV, (n) 31 Vul = G5 III, (o) α1 Cap = G5 Ib, (p) σ Dra = K0 V, (q) γ Cep = K0 IV, (r) 3 And = K0 III, (s) 56 Peg = K1 Ib, (t) BD+4°123 = K2 V, (u) δ Psc = K5 III, (v) BD+48°3887 =K5 Ib


 3.2.特徴を図示 

 手描き法 

 第2の方法は光度クラスの特徴を早わかりの図で示すことである。図3 - 6 にそれを示す。注意しておくが、これらはマイクロフォトメタ―で描いた 図ではなく、手書きで描かれている。この方法にはやや主観が入りこむが、 利点がある。そもそも光度クラスは目で見て決めているから、分類作業には 個人要素が最初から入っている。更なる利点は手描き図は露出効果に強い。

 手描きの実際 

 描画には神経を使う。ラインの位置を測定し、吸収線のプロファイルを 下書きする。第2に隣のスペクトル型の図から、変化する部分のみを 示す図として描く。最後に、全ての新しく描いた図を並べ、初めの図と 較べ、差異を調べる。スペクトル型と光度クラスの変化により、スペクトル の様々な特徴がどう変わっていくかを考慮する。この図を用いて、標準 星の分類を再度行う。その結果が表1である。
注意 

 これらの図は非常に有用であることが判った。しかし、もちろん注意は 必要である。同じスペクトル型の星でもスペクトルは同じではない。 サンプルを図3,4,5,6に示した。





図3.




図4.




図5.




図6.

 4.他のスペクトル領域での主要な特徴 

 波長帯毎の特徴 

スペクトル型 λ3860 - K 線、λ4227 - Hγ
光度クラス  λλ3700 - 3838, H 線 - Hδ, Hδ - λ4227


 大体のスペクトル型区分 

 F 型星  H, K 線と G バンドの H γ に対する強度比。
 F - G5  G バンドの H γ に対する強度比。
 G8 -   λ4227 の G バンドに対する比。
 F - K   λ3860


 光度クラス 

 λ3706 と λ3720 の相対比は光度クラスに敏感である。 λ3720 は超巨星では非常に弱くなる。
 Ti+ λ3757 は F2 - G5 超巨星では非常に強い。
 λλ3820 - 3838 の λ3800 に対する比は光度と共に 大きく変化する。この比は光度が下がると増加する。

 H 線 - Hδ  

 H 線 - Hδ 領域には線強度は 弱いが光度効果のある吸収線がある。 λ4174 は光度効果のあるラインである。F 型ではλ4227 や G バンドと比較できる。もっと晩期の星では λ4155, λ4200 と 較べられる。
ほかにもいろいろ 

 ちょと略。


 5.光度基準を標準星に適用する 

 

 光度クラスの特徴を整理したので、表1の標準星 に戻る。

 

 

 

 



図8.表1の標準星の光度ースペクトル型関係