A New Catalog of HII Regions in M31

  Azimlu, Marciniak, Barmby       2011 AJ 142, 139 -

 M31 電離領域の新しいカタログを報告する。中心から 24 kpc までの円盤面を Mayal 4 m 望遠鏡搭載のモザイクカメラで撮影した。これは Local Galaxy Survey プロジェクトの一部である。HII 領域フラックスを自動的に測る HIIphot を 用いた。広がったガスの揺らぎを撥ねるために 10σ 検出レベルを採用した。 こうして 3691 HII 領域がカタログに掲載された。このカタログは L =1034 erg s-1 まで完全である。この限界は以前 NE 半面で 行われた以前の 967 個カタログより 5 倍も暗い天体まで下がっている。
 Hα < 1036.7 の光度関数を n = 2.52 のべき乗でフィットした。 腕の上と間ではピーク位置が異なるが、明るい端での傾きは似ている。腕間では やや密度が低い。

 総Hα 光度から、星形成率 0.44 Mo yr-1 が見積もられた。この 値は Spitzer 8 μm 画像からの推定値と合っている。
 惑星状星雲は可能な限り除いたが、光度関数には二つのピークが現れた。
 腕間の古い種族は爆発的星形成が 10 - 20 Myr 昔にあったことを示唆する。 これは UV 観測から決めた星形成史が最近低下しているという結論と合う。
 HII 領域と星団の相関が幾つかの星形成領域で確認された。それらの大部分は 腕の中にあった。




図1.HII 領域の位置。破線の四角=Massey et al 2006 の 10 観測領域。 黒点=L≥1036 erg s-1, 灰点=L<1036 erg s-1, 赤点=フラックス不定性が 20 % 以下。中央の 10' × 10' バルジはマスク されている。明るい HII 領域が渦状腕に沿っていることが判る。暗い HII 領域 は腕間領域を埋めている。



図2.HII 領域の検出例。実線丸=除去した星。背景放射のため、10 σ で 検出してもフラックスのエラーは大きい。左枠の二つの放射域は惑星状星雲リスト と一致したので除いた。右枠は N3618 を含む。右枠の矢印は10 σ 規準に 達しなかった。


図3.今回のカタログと Walterbos/Braun 1992 カタログとの比較。白楕円= WB92 HII 領域。黒線=HIIphot が決めた境界。



図6.黒点:τ(Hα) > 0.7 腕内と赤点:τ(Hα) < 0.7 腕間。 灰点=減光情報なしだが、円盤の縁と言う位置から腕間領域と判断した。



図8.HII 領域のサイズ分布。右下のヒストグラムはビンの大きさが 1/3 で 大きな (log(D[pc])>1.84) HII 領域だけのもの。

図4.WB92 と今回とのフラックスの比較。



図5.HII 領域の光度関数。シアン線=減光補正なし。黒線=減光補正。 黒直線= α -2.52 のフィット。赤点線= KEH89, 青破線= WB92 の結果。 赤破線= KEH フィット、α=-2.3 ライン。



図7.τ(Hα) で分けた、腕内と腕間 HII 領域毎の光度関数。明るい天体が 腕内、暗いのが腕間と分かれている。腕は若い明るい星の大部分を含み、光度関数 のピークは O6 - O7 型星に来る。Oey/Clarke 1998 が述べたように老いた星は生まれた 雲を離れ腕間のギャップを満たすようになる。べき乗則の傾きには変化が無い。



図9.シアン: L(Hα) > 1036 erg s-1 . 灰色:その他。青十字:KH 星団。緑三角:Cadwell の若い星団(< 0.1 Gyr)。 赤:KH 星団と一致した HII 領域。オレンジ:Cadwell 星団(< 2 Gyr) と一致した HII 領域。予想されるように、一致天体の多くは腕内にある。