A Wide-Field HI Mosaic of M 31 II. The Disk Warp, Rotation and the Dark Matter Halo

  Cirbelli, Lorenzoni, Walterbos, Braun, Thiker    2010 AA 511, 89 - 105

 M31 の HI データ、8 - 37 kpc、に傾斜リングモデルをフィットした結果、 回転曲線の解析からダークハローの存在とその密度分布が判った。M31 円盤は 25 kpc の先でワープし、視線方向に対し一層傾きがきつくなって行く。ダークマターハロー なしにニュートン力学を適用すると回転曲線には非常にひどいフィットとなる。

 ΛCDM 宇宙内でヒエラルキカル形成構造を考えた際に想定されるダークマター ハローの密度分布を導入すると、回転曲線に合う質量モデルが得られる。




図1.第1モーメント(?)マップ。強度重み付き平均速度が 120 arcsec データ キューブから計算された。スペクトル分解能は 2 km/s,


図3.Vsys = -306 km/s, ΔXc = ΔYc = 0 に固定した場合のP2法によるベスト解。


図5.(a),(b) = P1法での ΔXc と ΔYc 。
   (c),(d) = P2法での ΔXc と ΔYc 。


図7.(下)青三角=北側と赤四角=南側で 1kpc 区間平均速度からの回転曲線。


図9.主軸(位置角=38°)沿いの位置・速度図。等高線は 0.013, 0.06, 0.13, 0.6 Jy/beam. 白線=論文の回転曲線。アステリスク=Chemin et al 2009 データ。 各点で円盤傾き角と系統速度の補正を済ませた。


図10.円盤に垂直方向の HI 表面密度。実線は力学モデルに使用された近似線。


図11.ダークハローを仮定しない場合の四角=回転曲線と質量モデル。 (上)ニュートン力学。(中)MOND(Modified Newtonian Dynamics Milgrom 1983) (下) MOND ベストフィット。
短破線=バルジ、破線=円盤。一点破線=ガス。


図13.黒= 68%, 横線= 95.4 % confidence area。 (a) (M/L)d = (M/L)b (b)(M/L)d と (M/L)b は独立な値。


図15.黒= 68%, 横線= 95.4 % confidence area。

 ダークハローの集中度パラメターは C = 12 で、その総質量は 1.2 × 1012 Mo である。もし密度一定の中心核を考えるなら、核半径は 20 kpc より大きい。
 この ΛCDM 宇宙での密度一定ダークマターコアモデルを非常の大きい半径 、ダークマターハローサイズまで外挿した。こうして得た総質量は他のトレーサーを 用いて決められた質量とよく合った。特に、21 cm データと最も良く合う  ΛCDM モデルは M31 の質量を 560 kpc までよくトレースする。我々の M31 総質量は 1.3 × 1012 Mo で、その 12 % がバリオン、そのまた 6 % が中性ガスである。




図2.フリーリングフィットの結果。リングの夫々に、 回転速度(Vc)、傾き角(inclination) i 、位置角(position angle)θ、 系統速度 Vsys、回転中心の銀河中心に対する位置(ΔXc,ΔYc) の 6 パラメターをフィットした。図にはその内の3つを示す。 Vsys は リングが円盤に対し垂直な速度、つまり上昇、降下を許し、(ΔXc,ΔYc) は偏心回転を示す。太い実線=ベストフィット。他の線=近いフィット。


図4.NEMO パッケジ内 ROTCUR タスクを用いたベストフィットモデル。


図6.(上)南西側、(下)北東側の回転曲線。幾何学パラメターには ベストフィットモデルのリング傾き角を使用。黒丸=P1ベストフィット 回転曲線。


図8.この論文と以前の論文での回転曲線。赤丸=Kent 1989 主軸沿い可視光データ。 四角=Emerson(1976), 三角=Newton,Emerson(1977) 主軸沿い HI データ。 アステリスク=平均(Chemin et al 2009) 実線=この論文の回転曲線。
(a) 北東側。 (b) 南西側 (c) 南北平均


図12.実線=Burkert ダークハローを用いた際の回転曲線へのフィット。 一点鎖線=ダークハロー。短破線=バルジ、破線=円盤。長破線=ガス。
(上)RB = 77 kpc, (下)RB = 28 kpc
Burkert ダークハローは X=(R/RB) として、
ρ(R) = ρB
(1 + X)(1 + X2)

良く使われる NWF プロファイルは、
ρ(R) = ρB
X(1 + X2)
である。


図14.NFW ダークハロー (C=12)を用いたフィット。 一点鎖線=ダークハロー。短破線=バルジ、破線=円盤。長破線=ガス。
(下)(M/L)d = (M/L)b =4.2(Mo/Lo) (上)両者は独立。


図16.実線=NFW ダークハローを外挿した時のモデル回転曲線。短破線=Burkert ダークハロー、RB = 28 kpc, の回転曲線。長破線=R=37kpc まで一定密度 でその先ゼロのダークハロー(その先回転はケプラー)