M31 and Its Circumnuclear Environment

  Zhiyuan, Wang, Wakker    2009 MN 397, 148 - 163

 Chandra, FUSE, GALEX, HST, Spitzer、アーカイヴから集めた  M31 中心核の多波長データを調べた。Chandra データから中心ブラックホール の X 線放射強度として L0.3-7keV ≤ 1.2 × 1036 erg s-1 を得た。これはエディントン 光度の 10-11 (?)である。
  X 線拡散成分から中心核周囲は 0.3 keV 0.1 cm-3 の高温ガスが 存在していることが判った。超大質量ブラックホールが不活動で、最近の星形成 もないので、ガスの加熱源はタイプ Ia 超新星であろう。
 より冷たい、ダストを含むガスが中心核の渦巻に存在していることは光学輝線 と減光から知られていた。我々はそこからの赤外放射を見出し、考えられる様々 な電離源の相対的重要度を見積もった。中心核渦巻と高温ガスの間の、多分熱蒸 発を通じての、相互作用の証拠を見出した。




図1.30'×30' (6.8 kpc × 6.8 kpc) 赤=24μm(Spitzer/MIPS)=ダスト, 緑=K (2MASS)=星, 青=0.5 - 2 keV (Chandra/ACIS)=高温ガス。


図2.四角=Chandra/ACSI 0.5 - 8 keV 超分解(0".125)画像。等高線= HST/ACS F330W 像。P1, P2 =中心核。下に SSS の一部が除く。


図4.中心 1' のスペクトル。3成分モデルでフィット。青=Catacrismiv Variables. 緑=活動連星。赤=高温ガス。


図6a.Hα 6'×6' 画像上の等高線=(a)8 μm, (c)70 μm


図7.(a)FIR の関数としての強度比。 (b) MIPS スペクトルの 2 成分温度ダストモデルによるフィット。

 このメカニズムにより以下の説明が自然に行われる:(1)外側円盤から 恐らく絶え間なくガスが供給されるに拘らずブラックホールが不活発である。 (2)中心核周囲からの高温バルジ流出ガス。
熱伝導により、境界には中間温度ガスが存在するはずである。実際、FUSE 観測 はバルジの強い光を背景に、 O VIλ1032, 1038 の強い吸収線を示す。 そのコラム密度 NOVI = 4 × 1014 cm-2 はバルジか円盤に帰せられる。
 個の研究から星によるフィードバック、特に SNe Ia によるエネルギー解放が 超大質量ブラックホールの成長とバルジの星間空間環境を制御することを示す。









図1(続き).左図の破線箱の Hα 拡大図(6'×6')。 等高線= X 線強度 (0.5 - 2 keV)。 十字=銀河中心。


図3.0.5 - 2 keV 強度プロファイル。(左)短軸。(中)長軸。(右)距離。 破線= K バンドプロファイル。実線= Hα プロファイル。
長軸沿いのプロファイルは短軸沿いより少し急峻であり、さらに短軸沿いでは 北西側が低い。これは図1b と一致している。主軸プロファイル中心 1' はキャップ をかぶっている。これは中心域の渦巻に伴うデコボコである。

















図5.FUSE λ 1031, 1037 スペクトル。(左)フラックス。(右)コラム密度。


図6(続き).Hα 6'×6' 画像上の等高線=(b)24 μm, (d)160 μm