M31, M33 の周辺に新しい二つの矮小銀河 And XXI, And XXII を発見した。この
発見は CFHT に搭載した Megaprime/MegaCam Wide-Field Camera を使用した Pan-Andromeda
Archaelogical Survey (M31/M33 グループの測光サーベイ) の第一年目のデータ
からの成果である。
![]() ![]() 図2a.And XXI 周囲の星の分布。小さい点=検出された星。大きい点= RGB 星。定義区間は図2b の色等級図に破線枠で示した。RG 星が明らかに 集中していることが判る。 ![]() 図3a.And XXII 周辺の星。XXI より少ないが明らかな集合が認められる。 ![]() 図4a.And XXI の)2 × 半光度半径内の星の色等級図。光度関数 は色等級図の破線で囲まれた領域。光度関数は TRGB からの上昇を示す。 これは (m - M) = 24.67 に対応する。 メタル量サンプルはさらに Io<23.5 の制限を付けた。平均値は [Fe/H] =-1.8 である。Dotter et al 2008 の t = 13 Gyr, [α/Fe] = 0.0 の等時線が色等級図と極めて良く合う。 分布 ![]() 図5.恒星分布プロファイル。(上)And XXI。(下)And XXII。 |
And XXII は Mv = -6.5±0.8 と暗く、M33 の近傍に位置する。これは
M31 の最初の衛星銀河かもしれない。これは、過去の M31 と M33 の遭遇時に
衛星銀河群がたどった運命を考えると極めて興味深い発見である。しかし、
距離の正確な決定までは And XXII が M33 に実際に近いかどうかを決めるには
まだ早い。
図1.M31/M33 周辺の矮小銀河の位置。くうわ領域は黒丸= And XXI と And XXII. 点線 枠=現在の PAndAS サーベイの範囲。四角の一とつ一つが MegaCam の 1度四方視野を表わす。 ![]() 図2b.(左)2 × 半光度半径内の星の色等級図。(右) 20' 離れた比較領域。 ![]() 図3b.(左)2 × 半光度半径内の星の色等級図。(右) 比較領域。 ![]() 図4b.And XXII の色等級図、光度関数、メタル分布。ただし、サンプル数が 少ないため、特徴ははっきりしない。 ![]() 図6.(上)And XXII までの距離による、And XXII/M31(実線)と And XXII/M33 (破線)間距離の変化。 (下)And XXII までの距離による、M33 と M31 のダークマターハロー密度の 比の変化。 |