The Dominance of Metal-Rich Streams in Stellar Halos: A Comparison between Substructure in M31 and ΛCDM Models

  Gilbert, Font, Johnston, Guhathakurta 2009 ApJ 701, 776 - 786

 SPLASH サーベイで得られた M31 の潮汐デブリでの DEIMOS スペクトルの解析 結果を示す。視線速度から運動学的に冷たい成分を副構造メンバーとしてより分けた。 副構造は周囲の運動学的に高温のフィールド星より高メタルであることが判った。

 各フィールドで、運動学的に分けられた成分の平均メタル量と表面輝度を導いた。 その結果、高輝度の成分は高メタルという相関が見出された。

 宇宙論の進化モデルの中で恒星ハローの形成をシミュレートしてみると、先の 傾向は矮小銀河の質量・メタル関係から来ていることが判った。同じ表面輝度でも メタル量にかなりの分散がデータに見られるが、それはタイム効果つまり、ストリーム 母銀河がハローに降着して以来の時間がばらついているからである。

 このような筋書きだと、α 超過と表面輝度の間に相関があるはずである。 この関係は母銀河がハローに降着する時間が様々になるために生じるはずである。

 こうして、α 元素の超過、メタル量、表面輝度から母銀河の光度、いつ 降着したかを再構築することが可能となる。




図1.(上)視線速度と[Fe/H]関係。(下)視線速度ぶんぷ。斜線と白丸は M31 赤色巨星。バツと白ヒストグラムは MW 矮星。運動学的に冷たい成分が より高メタルであることが判る。


図3.図2と同じだが、M31 分光サーベイデータ全て。黒丸=運動学的に 同定された副構造。白三角=副構造のない所。四角=星数が 10 以下。 大きい黒丸=副構造あり領域の平均。大きい三角ない所の平均。 副構造は平均して高メタルである。 破線=表面輝度観測下限。


図5.BJ2005 によるシミュレーションの結果。右=表面輝度対メタル量。 左=表面輝度対α超過。(上)母銀河を光度で区分。黒=106Lo 以下。 赤=106Lo - 107Lo。青=107Lo - 108Lo。 黄色=108Lo - 109Lo。
(下)=(多分、降着からの経過)時間で分けた。紫= 3 - 6 Gyr, シアン= 6 - 9 Gyr, 橙= 9 - 12 Gyr
左は矮小銀河の質量・メタル関係を反映している。右はα 元素の時間依存性を 表わしている。


図2.運動学成分の表面輝度とメタル量の関係。黒丸=冷たい成分。GSS と 考えられる。黒三角= GSS と未確認の冷たい成分。白四角=熱い成分。
五角形=冷たい成分を表面輝度 μ = 29 mag arcsec-2 で2分し それぞれで平均を取ったもの。高表面輝度が高メタル。冷たい成分が高メタル。


図4.BJ2005 によるシミュレーションの結果。(上)表面輝度マップ。 (中)メタル量マップ。(下)α 元素超過マップ。
各マップは 300 × 300 kpc。


図6.