M31 の北西腕に驚くべき規則性が見つかった。恒星複合体が 1.2 kpc おきに
並んでいて、その大きさも 0.6 kpc と揃っている。このパターンは Beck et al
1989 が強い規則的な磁場を検出した腕領域で、磁場パターンの間隔は恒星
集団間隔の2倍であった。その上、恒星複合体の位置は大抵、波状の磁場が最も強く
なるところであった。この複合体の内部には幾つかの電離域が存在する。複合体
自身はダスト・ガスレーンの内部にある。
対照的に、南西腕は上流側のガス・ダストレーンと下流側の濃い恒星腕とに
分裂している。そして電離領域は腕を構成する両者の境界に位置する。高光度星
の密度は北西腕より南西腕の方がずっと大きい。
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そして、南星腕の星は北西腕のようには恒星複合体には分かれていない。
その上、以前の研究から南西腕を横断して年齢勾配の標しが観察されている。同じ
腕(バーデの腕 S4 )の部分同士のこの様に大きな差はおそらくピッチ角の差が
原因であろう。北西腕ではピッチ角がほぼ 0 度であるが、南西腕では 30 度である。
古典的な SDW 理論ではピッチ角が小さいと星形成率が小さくなる。
M31, M51, M74, 及び他の銀河の観測によると、恒星複合体は大抵上流にダスト
レーンが無い所に存在する。つまり、渦状ショック波のない所である。同じ事が
恒星複合体の鎖を示す潮汐腕とも関連する。密度波渦状腕に沿う複合体の規則的
配置はおそらくパーカージーンズ不安定性が発達して、元々の星形成率が低い
所に恒星複合体を作ったのであろう。
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