ドミニオン電波干渉計(9mx7台)により 21 cm サーベイを行った。回転曲線を
38 kpc まで求めた。中心付近に 340 km/s ピーク、4 kpc 付近で 202 km/s のへこみ、
2個所で 264 km/s, 230 km/s の平坦部、周辺部で 275 km/s へ増加という特徴が
あった。最内側を除くと、ガス回転の軸対称性は非常に良い。HI 円盤の非常に強い
ワープが明らかである。中心領域の軌道傾斜角は円盤の平均値 74 度より小さく、
外側領域はより傾いている。
![]() 図1.スペクトル例。複数の速度成分があることに注意。 ![]() 図2.銀河系 HI による汚染の例。-4km/s, -20km/s, -40km/s がそれ。 ![]() 図3.M31 の総積分スペクトル。 ![]() 図5.(上)=(下)の鏡像。(中)=長軸上に投影した位置 - 速度図。 (下)=図4と同じ、HI 強度マップ。実線=前側の特徴、破線=遠い側の 特徴を示す。N1, N2 = 北側の二つのスパー。SE = 南西拡張部。EA = 外部腕。 R1, R2 =リング状構造。 ![]() 図6(b).HI 成分が抜き出されている。(意味がちょっと判らない。) ![]() 図7. 方位角=38°, 長軸沿いの位置・速度図。緑=主成分。 ![]() 図8.速度マップ。傾斜リングモデル解析に用いた。 ![]() 図10.回転曲線。青逆三角=接近速度。赤三角=後退速度。 黒菱形=平均。 ![]() 図12.M31 の北東部と南西部の拡大。(左)HI 強度。(右)速度 ![]() 図13.背景= Ibata et al 2007 の恒星密度。白線=HI 分布。A=北西恒星 集団。B = G1 集団。C = ジャイアントストリーム。 ![]() 図15. R バンド表面輝度(Walterbos/Kennicutt 1987)。緑破線=指数型円盤モデル。 点線=バルジ。 ![]() 図17.質量モデル。 (上)(M/L) = 2.2, (M/L) = 1.7 + カスプのある NFW ダークマターハロー。 (下)(M/L) = 0.8, (M/L) = 1.7 + カスプのある NFW ダークマターハロー。 一点破線=ブラックホール。青実線(下の方)=中性ガス。青破線=分子ガス。 赤実線=星円盤。赤破線=バルジ。緑実線=ダークマター。黒実線=全体。 どうして黒実線に一点破線が入っていないのか? バラックホールだけでは中心 1kpc の立ち上がりが説明できない? | 38 kpc 以内の M31 質量は 4.7±0.5 × 1012 Mo である。 この半径内ではダークマターの質量はバリオンマターの約 4 倍ある。観測スペ クトルの特徴は非常に複雑である。各点で多い時には 5 つの速度成分が見られた。 このようなことは他の銀河ではめったに見られない。新しく発見された特徴は 外側での腕と複数の薄い HI スパーである。これらのスパーと星の固まりとの 関係の証拠がある。外側腕は 32 kpc の長さで、銀河本体の遥かに外側に位置し、 銀河の反対側には対応する腕の特徴が見られない。その運動学は明らかに周囲の 外側円盤と異なる。これらの特徴は NGC 205 のような伴銀河との潮汐作用に よるものかも知れない。![]() 図4.HI 強度分布。 ![]() 図6(a).(上)HI 強度マップ。(下)HI 速度マップ。 ![]() 図6(c). ![]() 図9.HI 円盤傾斜角(下)と運動学的主軸の方位角(上)。実線=回転 曲線を導出するために用いたライン。 ![]() 図11.回転曲線の比較。実線=本論文。バツ = Newton/Emerson 1977, 黒丸=Brinks/Burton 1984, 三角=Brown 1991, 黒菱形=Variganan et al 2006 ![]() 図12b.速度分散 ![]() 図14.白丸=外部腕の傾斜角と位置角の変化。黒菱=円盤の値。 ![]() 図16.実線= HI 表面輝度。破線=主成分のみ。 ![]() 図 17b.質量モデル。 (上)(M/L) = 0.8, (M/L) = 1.7 + カスプのある NFW ダークマターハロー。 (下)(M/L) = 0.8, (M/L) = 1.7 + Einasto ダークマターハロー。 |