The Star Formation History of the M31 and M33 Spheroid

  Brown,    2009 ASPC 419, 110 - 117

 M33 と M31 楕円体の星形成史をレビューする。M33 には古典的なバルジが存在せず、 その代わり、様々な年齢の星からなる小さな中心核領域を有する。M33 ハローの 星形成史に対しては僅かな観測的制限しか掛けられていない。しかし、ハロー球状 星団の総スペクトルは 5 - 7 Gyr という広い範囲の年齢巾を示す。
(個々の星団でか、星団系でかは不明)
一方ハローにおける RR Lyr の存在はより古い種族が含まれることも示唆する。 M33 の深い測光から M33 ハローの詳しい星形成史を考察することは可能であるが、 これはまだなされていない。




図1.円盤の局所速度と星団速度との差。(Chandar et al 2002) 星団年齢は 総等級とカラー、総スペクトルから定めた。球状星団の年齢の広がりは銀河系 よりずっと大きい。

 M31 は伝統的なバルジを有して、明らかに 10 Gyr より古い種族が支配的である。 M31 ハローの深い測光から、古い低メタル星と共に高メタルで若い種族にまで及ぶ 広い年齢巾の星がかなり含まれていることが判っている。明らかにこれは激しい マージャーが過去にあったことを物語る。




図2.M31
(上)視線速度。点線= M31 系統速度。
(中)色等級図。曲線=47 Tuc。
(下)M31 4領域の星形成史。点の大きさがウエイト。(Brown et al 2003 - 2008)
短軸上の3領域(11, 21, 35 kpc)は M31 系統運動において運動学的に熱い種族を示す。 一方、軸から外れた領域は銀河背後から M31 に突っ込んでくる運動学的に冷たい ストリームを示す。運動学的にはっきりと区別されるに拘らず、 11 kpc 領域と ストリームとは色等級図と星形成史において良く似ている。これは内側ハローが ストリーム母銀河の残存物により汚染されているためである。(Brown et al 2006, Fardal et al 2007, Gilbert et al 2007) 短軸上さらに遠方の領域は高メタルで 若い種族が 11 kpc やストリーム領域ほどは含まれていない。しかし、それでも ハロー前面に渡り長い年代の星形成史を示す。これはヒエラルキカルマージング と一致する。