A Wide-Field High-Resolution HI Mosaic of Messier 31. I. Opaque Atomic Gas and Star Formation Rate Density

  Braun, Thilker, Walterbos, Corbelli    2009 ApJ 695, 937 - 953

 Westerbork Synthesis Radio Telescope により、空間分解 50 pc, 速度 2 km s-1 で M31 95×48 kpc の HI 観測を行った。 25 km s-1 巾のスペクトルで、100 pc 分解能の場合には、HI 質量で 1500 Mo, 感度で 0.28 K の感度がある。

観測には至る所で HI 自己吸収の特徴が 現れた。これは最初には HI ピーク温度像上で局所的な糸状の窪みとして見える。 この極小は 1 kpc 以上の複合体となり、特に渦状腕の前方縁で目立つ。銀河系と 同様に、HI 自己吸収が CO(1-0) 放射位置と重なることは全般にはない。

 視線方向の最も強い部分に対してスピン温度、オパシティ補正したコラム密度、 非熱的速度分散などをベストフィットした画像を示す。分光的に不透明な




図1.120" , 10 km s-1 分解能マップ。 飽和 60 K。


図3.60" , 6 km s-1 分解能中心 50 % のマップ。 飽和 90 K。


図5.15" , 6 km s-1 分解能中心 50 % のマップ。 飽和 120 K。

原子ガスは 孤立した大きさ 100 pc にまで小さな雲と糸状複合体とに含まれる。

 オパシティ補正は場所によっては一桁に達し、その結果原子質量は 30 % 増加した。 不透明な部分では 12 kpc まではスピン温度が 20 K から 60 K に上昇し、その先では 25 kpc 以遠で再び 20 K にまで落下する。

 星形成率は以前よりサイズで一桁以上下にまで拡張した。総ガス質量と星形成率密度 との関係は分子雲の場合よりタイトで、 M51 の分子が支配的な円盤で見出された 1.56 のべき乗則に規格係数までふくめて一致する。ガス密度 5 Mo pc-2 以下では 星形成率が下向きに落ち、これは雲の質量が 5 104 Mo 以下では星形成 が起きないことを示している。




図2.60", 6 km s-1 分解能マップ。 飽和 90 K。


図4.30", 6 km s-1 分解能中心 50 % のマップ。 飽和 120 K。



図6.円盤北東部の 30" 分解能ピーク温度マップ。


図7.円盤中心部の 30" 分解能ピーク温度マップ。


図8.円盤南西部の 30" 分解能ピーク温度マップ。



図..円盤北東部の VC18/2 分布。 VC18/2 = P(18 km/s)/P(2km/s) = Velocity Coherence (Braun 1997)


図.円盤中心部の VC18/2 分布。


図.円盤南西部の VC18/2 分布。



図9.(上)、(中)、(下)はそれぞれ、図6,7のダークフィラメント上3点で、 (左)から(右)へ横断している。中列がフィラメント上の点で自己吸収が見える。


図11.北東部の HI ピーク温度。等高線= CO (1-0)


図13.モデルスペクトル。


図15.HI のコラム密度。


図17.HI のスピン温度


図19.様々な量の中心距離分布。(a)ピーク温度。(b)見かけHIコラム密度。 (c)補正HIコラム密度。(d)表面ガス密度(Mo pc-2)。(e)VC。 (f)非熱的速度分散。(g)冷たい HI 温度。(h)SFR 密度 (Mo pc-2 Gyr-1)。



図10.(上)、(中)、(下)はそれぞれ、図8のダークフィラメント上3点で、 (左)から(右)へ横断している。中列がフィラメント上の点で自己吸収が見える。


図12.南西部の HI ピーク温度。等高線= CO (1-0)


図14.スペクトルフィットの例。


図16.各スペクトルにフィットしたコラム密度。


図18.非熱的速度


図20.SFR密度対ガス質量密度。(左)分子のみ。(中)分子+見かけHI。 (右)分子+補正HI
(上)全距離のデータ。(下)距離で区分。赤= 0-8 kpc。緑 = 8-16 kpc。 青 = 16 - 24 kpc。
分子パネルの線はKennicut et al 2007 の勾配 1.37, 分子+原子は勾配 1.56