The Stellar Content of Galaxy Halos: A Comparison between ΛCDM Models and Observations of M31

  Font, Johnston, Ferguson, Bullock, Robertson, Tumlinson, Guhathakurta    2009 ApJ 673, 215 - 225

 最近の観測から、 M31 ハローには面輝度の高い、高メタルのデブリが広い 範囲に渡って存在することを示した。数値シミュレーションを使って、 ΛCDM モデルのヒエラルキカル宇宙で銀河ハローにそのような高メタル デブリが予想されるのかどうかを調べた。

 潮汐デブリがシミュレーションでは出現し、ハロー外周部の明るい特徴は 一つの衛星銀河に起因することを示した。というのは、二つ以上の降着事象が 同時に起こる確率は極めて低いからである。一方で、内側ハローの高輝度な特徴 はしばしば複数の母銀河から生じている。




図1.モデル11個の 50 kpc 以内の平均年齢・メタル関係。


図3.様々な質量や降着率の時の個々の衛星銀河の年齢メタル関係。ここで、 低質量と書いてあるのは 106 Mo 大質量とあるのは数 × 108 Mo である。降着時間が early とあるのは 1 - 2 Gyr, late とあるのは 6 - 7 Gyr である。


図5.高表面輝度フィールドの起源。(ケースA)単一ソース。 (ケースC)二つのソース。 (上)明るい部分のみを選択。(下) R < 10 kpc の明るい部分を選択。


図6.Brown et al 2007 のハローフィールドとシミュレーションの比較。


図8.降着の 4 Gyr 前に形成された星の割り合い。

 デブリの年齢とメタル量分布をそれらが存在している滑らかで良く混じり 合ったハローと比較した。その結果、高輝度デブリはかなり大きい (107 - 109 Mo) 衛星銀河から生まれたことが判った。 それが中間 - 高メタルになった原因であろう。同様に、我々のモデルでは 滑らかな内側ハローは大きな銀河の降着で生じたと考えられるのでやはり 高メタルであることが期待される。
 この結果は、銀河周辺の副構造は古くて低メタルの矮小楕円銀河とは 似ていず、それが埋もれているハローとも違うことを意味する。




図2.図1と同じだが、 50 kpc より外側のハロー星に対して。


図4.(上)モデル計算のハローモデル。示した領域は 150 kpc である。
(中)、(下)運動学的に冷たいストリームの4つの例。上の 1/4 の縮尺。


図7.Brown et al 2007 のGSSフィールドとシミュレーションストリームの比較。