HST/ACS によりアンドロメダ銀河の深い撮像を行った。色等級図を球状星団で
較正した等時線のグリッドと比較して、星形成史を再構成した。各領域で、
長く続く星形成が示された。多くの星が 10 Gyr より若いが 4 Gyr より若い星は
少ない。
![]() 図1.RGB 星星数マップ(Ferguson et al 2002).箱=3箇所の観測領域。 ![]() 図3.楕円体フィールド 30" × 30" 、F606W + F814W 合成。黄色四角= MSTO 星、mF814W = 29 mag, mF606W - mF814W = -0.45 mag である。MSTO より暗い星まで検出されていることが明らかである。 この図はどんな天体が移っているかを示すためのもので、銀河系前景の明るい星、 背景の銀河などが混ざっている。大部分はアンドロメダの星である。 ![]() 図5.上:仮想的種族合成のメタル量と年齢のぶんぷ。下:各要素に同じ 数の星を与えて作ったヘス図。 ![]() 図7.上段:(左)楕円体、(中)ストリームー25%分の楕円体、 (右)円盤ー33%分の楕円体のヘス図。25%, 33% は図2の速度分布から決めた。 箱は比較用カット。 下段:箱内の数を揃えてからの分布関数。青=楕円体、緑=ストリーム、 赤=円盤。円盤RGBは赤く、高メタルを示す。円盤の水平枝はレッドクランプに 集まり若い年齢と高メタルを示す。MSTO の上の強い吹き上げも若い年齢を示唆する。 ![]() 図9.楕円体ベストフィットの年齢とメタルの分布。丸の面積は夫々の 等時線に属する星の数に比例する。 (8-14 Gyr を図のように分解できるのは 驚き。結論は確実か?) ![]() 図11.楕円体フィットの初期パラメターをランダムに取って結果を比較。 ![]() 図13.ストリームベストフィットの年齢とメタルの分布。 ![]() 図15.上:黄色=ストリーム。楕円体星形成史でのモデル。 (図10の青と同じはずだが、違って見える。) 下:黄色=ストリーム。青=楕円体とストリームを同時にフィットさせたモデル。 観測とモデルとの差。 どちらも残差が大きいことはストリームと楕円体が異なる種族であることを示す。 ![]() 図17.ストリーム(上)に図9の楕円体成分が 25% 混入しているとして除去した 後(下)のベストフィット。 ![]() 図19.上:黄色=円盤ヘス図。青=ベストフィット。右=残差。 下:ベストフィットからの人工CMDに対する同じ操作。 ![]() 図21.連星、IMF, α元素の超過、距離、赤化 の色々な変化に対する 星形成史の応答。 ![]() 図23.上:33% 楕円体成分除去後の M31 外辺円盤の年齢・メタル分布。 中:太陽近傍厚い円盤の年齢・メタル分布。白四角=測光。黒四角=分光。 伊吹山、有本 2002 下:太陽近傍薄い円盤の年齢・メタル分布。白丸=測光。黒丸=分光。 伊吹山、有本 2002 | 内側楕円体の大きく乱れた構造は、外側ハローの低メタルで圧力支持構造 とは明らかに異なる。ストリームと楕円体種族は似ているが、ストリーム年齢の 方が1 Gyr 若い。類似性は内側楕円体がストリーム母銀河か類似天体から剥が された星で強く汚染されていることを示す。円盤種族は若く高メタルだが、 太陽近傍ほどは若くない。その代わり、外側円盤は 4 - 8 Gyr の星が 支配的で、銀河系円盤と似ている。円盤データは 10 Gyr より古い星が 主要種族と言う考えとは相いれず、実際 10 Gyr より古い星はフィットに 必要としない。![]() 図2.観測3領域の(上)速度分布と(下)ヘス図。 (左)楕円体の速度分布はアンドロメダ銀河系統速度(破線)の回りに幅広 (σ∼80 km/s)の広がりを示す。円盤、ストリームからの寄与は見えない。 (中)ストリーム領域には二つの冷たい(σ∼15 km/s)成分が見える。 一つは銀河背後から落ち込んでくる流れ、もう一つはそれより巾広い楕円体成分で 約25%を占める。 (下)円盤は回転運動で赤方にずれた狭い円盤成分と約33%を占める幅広の 楕円体成分からなる。 楕円体とストリームのヘス図は良く似ている。円盤は若い種族が加わり、赤色巨星枝 は高メタルのため赤い。 どのヘス図も MSTO より上に延びているのは中間年齢種族 なのか? ![]() 図4.上段:(左)楕円体、(中)ストリーム、(右)円盤のヘス図。線は球状星団。 左から、M92([Fe/H]=-2.14, t=14.5Gyr), NGC6752(-1.54, 14.5), 47 Tuc(-0.70, 12.5), NGC 5927(-0.37, 12.5), NGC 6528(+0.00, 12.5), NGC6791(+0.30, 9.0). 下段:同じだが、モデル等時線と比べた。黄色:[Fe/H] = -2。桃色:[Fe/H] = -1。 水色:[Fe/H] = 0。年齢は左から 3, 8, 13 Gyr. 明らかに、高齢種族(>10Gyr)は低メタル([Fe/H]≤-1))であり、高メタル ([Fe/H]>-1))の大部分は中間年齢(6-8 Gyr) である。 (と書いてあるがどう見るとそうなるのか?) ![]() 図6.上段:(左)楕円体完全な深さまで、(中)ストリーム、(右)円盤のヘス図。 NGC 104 の尾根線を参考に付けた。 下段:(左)楕円体他と同じ深さまで、(中)数を揃えてから、ストリームー楕円体。 赤色巨星枝と水平枝は殆ど同じ。ストリーム主系列の方が明るく青い方まで延びる。 (右)数を揃えてから、円盤ー楕円体。円盤の水平枝が少し明るいレッドクランプに 縮退している。高メタルで若いことを示す。MSTO の上の吹き上げは楕円体より強い。 ![]() 図8.StarFish フィッティング(Harris/Zaritsky 2001)に使用した等時線。 細かいグリッドは合成CMDに人工的ムラムラを生じない為。ただし、 フィッティングの際のパラメターの数を減らすため、それらは図のボックス内 で固定されている。 ![]() 図10.上:黄色=楕円体CMD.青=ベストフィットCMD。右=両者の差。 下:黄色=ベストフィットモデルから作った人工モデル。青=そのフィット。 ![]() 図12.楕円体。図11と同じだが、上段は t < 10 Gyr 等時線のみ、 下段は t > 10 Gyr のみを使用。どちらのフィットも不十分である。 ![]() 図14.ストリーム。図10と同じ事をした。 ![]() 図16.楕円体とストリームを同時にフィットした時のベスト解。 図9と図13の中間にあることが判る。 ![]() 図18.円盤データへのベストフィット。 ![]() 図20.(上)楕円体成分を含んだままの星形成史。(下)33% の楕円体成分を 除去した後の星形成史。 ![]() 図22.灰色=楕円体(上)、ストリーム(中)、円盤(下)の星形成史。 黒線丸=比較用の楕円体。 |