The Metallicity Distribution Function of Field Stars in M31's Bulge

  Sarajedini, Jablonka    2005 AJ 130, 1627 - 1634

 HST/WFPC2 により M31 中心から 1.6 kpc 離れたバルジの色等級図を得た。色々な スケール太陽組成での赤色巨星のモデルとのフィットから観測カラーをメタル量に 変換した。メタル分布関数は [Fe/H] ∼ 0 にピークを持ち、高メタル側では すばやく落ち、低メタル側には長い尾を引く。この形は銀河系バルジと似ているが、 高メタル側に 0.1 dex ずれている。閉じた箱モデルはこの観測と合致しない。




図1.M31 バルジの星団 G170(中心から 6'.1 = 1.55 kpc SW), G198(中心から 3'.2 = 0.80 kpc SW), G198(中心から 3'.7 = 0.97 kpc NE 周辺での CMD。


図3.G 170 領域の CMD。実線は Girardi et al 2002 による t = 12/6 Gyr, Z = 0.0001, 0.0004, 0.001, 0.004, 0.008, 0.019 等時線。 いちばん赤い 2本は Salasnich et al 2000 による Z = 0.04, 0.07


図5.(a) 黒丸=天の川バルジ (Zaccali et al 2003) の第1赤色巨星枝星。
(並存する AGB は無視してるのか、選択排除できたのか?)
実線=図3と同じ。 (b)の第1赤色巨星枝星から得たメタル量分布。
( AGB星の処理が気になる)


図9.破線=事前底上げ Zo = 0.0003 の閉じた箱モデル。実線=降着モデル。

 銀河系バルジの場合と同じく、この矛盾は最初にメタル量をかさ上げしても 消滅しない。しかし、最初に降着ガスにより [M/H] = -1.6 まで上げ、その後 は閉じた箱で進化させると観測とのフィットが向上する。バルジでのメタル量 分布関数が M31 と MW で類似していることは、ハローで全く異なることと 強い対照を示す。これは両銀河でバルジの形成が降着事件がハローに影響する 以前に起きたことを示唆する。




図2.光度関数。G 170 領域が測光が深いのでこれを使う。


図4. G 170 領域のメタル分布関数。


図6.黒丸、破線= G170 領域の M31 バルジメタル分布。ヒストグラム= MW バルジのメタル分布。


図7.黒丸= G 170 バルジメタル分布。破線=閉じた箱モデル。


図8.黒丸= G170 メタル量分布。破線=閉じた箱モデル+事前の底上げ (Zo = 0.0005)