銀河の化学進化には銀河の形成と時間変化の鍵が潜んでいる。天の川とアンドロメダ 銀河の化学進化を調べた結果、円盤銀河の化学進化一般に共通する性質と、個々の 銀河により異なる性質が判った。研究には半解析的な多層化学進化モデルが使われた。 この手法は似たような質量と形態を有する二つの渦状銀河で観測された化学的特徴の 平均的傾向を説明するのに適している。![]() 図1.実線=天の川モデル。(a) 太陽近傍メタル量分布。Kotoneva et al 2002 (b) R = Ro でのハローメタル分布。Ryan/Norris 1991 (c) 太陽近傍での [O/Fe] と [Fe/H] の関係。Carretta,Gratton,Sneden 2000 (d) 太陽近傍での星形成史。 観測値は Rana 1991 ![]() 図3. M 31 星の平均メタル量。(上)円盤、(下)ハロー。三つの線は M 31 モデル。 | 天の川とアンドロメダは進化に共通する点があるが、細かい点では差異がある。 特に、 M31 ハローの高いメタル量は(1)ハローでの高い星形成効率か、(2) 長期間に渡りより大きな降着ガス源を想定する必要がある。この二つの説明には (1)低メタル量時期での高い [Fe/O] か、(2)M31 ハローの種族が若いかが 必要である。どちらも M 31 ハローの質量が大きくなる。これはハローメタル量と ハロー質量との間の相関を示唆する。![]() 図2.(左)天の川,実線はモデル。と(右)M 31、三つの線はモデルの比較。 (上)水素の表面密度。(中)酸素(HIIR から)、(下)硫黄(HIIRから) ![]() 図4.黒四角=M 31 メタル量分布 Bellazzini et al 2003。点線と破線はモデル。 |