Integrated UBV Photometry of 624 Star Clusters and Associations in the LMC


Bica, Claria, Dottori, Santos, Piatti
1996 ApJS 102, 57 - 73




 アブストラクト 

 LMC の 504 星団と 120 アソシエイションの UBV 積分測光のカタログを示す。 それらの一部は輝線ガスの中に埋もれている。UBV カラーから決めた、SWB タイプを年齢の指標にしてグループ分けした。空間分布の大きさは年齢(SWB タイプ)と共に増加していく。  また、 30 Myr より若いグループと、それより 古いグループとでは分布の軸比が変わる。若いグループではほとんど正対して いるが、古いグループでは 45° の傾きがあるように見える。分布には非 対称性が存在する。年齢グループ間で分布中心が異なることも考慮すると、 LMC 円盤は過去に大きな擾乱を受けたようだ。


 1.イントロダクション 

 アパーチャ測光は易しそう 

  vandenBergh (1981) は 140 LMC 星団の UBV 測光データを集めた。しかし、Hodge 1988 によれば、 LMC 内のカタログ化された星団の数は約 2000 ある。アパーチャ測光に適した 星団の数はそれほどは多くない。しかし、スカイアトラスを見ると、約半数は 容易に観測できそうである。
 積分二色図 

  ここでは、LMC 星団積分 UBV 測光のカタログを報告する。これは、 van den Bergh (1981) の星団数を約5倍にする。 Bica et al. (1991) は UBV 星団2色図上にギャップを検出した。さらに、 Bica, Claria, Dottori 1992 はバー中の星団の性質を調べた。今回の大規模サンプルは年齢群ごとの 空間分布の研究に役立つだろう。


 表1=LMC 星団の積分測光カタログ 





















 表2=LMC 星団の補足積分測光カタログ 





 2.観測 

 カタログの出典 

 サンプル星団を Hodge, Wright 1967 の LMC アトラス及び ESO/SERC 南天 スカイサーベイ J, R 乾板から選んだ。また、既存カタログからも明るい星団 を選び出した。V 等級ヒストグラムが検出完全度のヒントを与える。 表1が星団リストである。カタログ名は H (Hodge 1960), SL (Shapley, Lyndsay 1963), LW (Lynga, Westerlund 1963), HS (Hodge, Sexton 1966), ESO (Lauberts 1982), H88- (Hodge 1988), BRHT (Bhatia et al 1991), KMK88- (Kontizas, Metaxa, Kontizas 1988), KMHK (Kontizas et al 1990), LH (Lucke, Hodge 1970), N (Henize 1956), DEM (Davis, Elliot, Meaburn 1976) である。あと他に、HNT (Heydari-Malayeri, Niemela, Testor 1987), LT (Lortet, Testor 1984), Rob (Robertson 1974), MOB (Melnick 1987), BCD (Bica, Claria, Dottori 1992), BCDSP (これ 1996) がある。

 分類 

 表1の第9列には分類を、C = 星団、NC = HIIR または CHIIR 中に埋もれた 非常に若い星団、 A = ガス無しアソシエイション、NA = HIIR 中のアソシエイ ション、 CN = 輝線を伴う星団、 AN = 輝線を伴うアソシエイション、とした。 中間の天体は CA か AC とした。N49 = SNR は比較用である。
 測光データ 

 表1には3種類の測光データ、 (1) van den Bergh (1981) から採ったままでエラーが付いてない、(2)再観測してチェックした星団、 (3)新観測の星団、がある。我々の観測は CTIO と CASLEO で行われた が表には最大アパーチャでの値を載せた。V = van den Bergh 1981, T = CTIO, C = CASLEO を指す。 van den Bergh (1981) 観測との違いが幾つか見つかった。それらは、アパーチャの差、 HIIR の影響、 誤同定である。

 観測源 

 表1の 60 % は測光観測が初めてである。20 % は  Bica et al. (1991) と Bica, Claria, Dottori 1992 から、 20 % は van den Bergh (1981) から採った。表2には補足観測の結果を載せた。以下に 各観測所でのデータ処理を述べる。

 2.1.CTIO観測 

 2.2.CASLEO観測 






図1.V 等級ヒストグラム。(a) = 星団。 (b) = アソシエイション。点線=全天体。 実線=輝線ガスを伴う天体。

 3.解析 

 完全度 

 図1には V 等級ヒストグラムを示す。その形から V = 13 までは星団検出 は完全と考える。アソシエイションは星団より広がっている場合があり、同じ ようには考えられない。しかし、総数 120 がかなりなことは確かである。

 UBV 二色図 

 図2には星団とアソシエイションの UBV 二色図を示す。Mould, Aaronson 1980 は前景赤化 E(B-V) = 0.06 とした。 LMC HIIR の内部赤化の典型値は E(B-V) = 0.2 である。図上の系列はおおよそ年齢系列を成している。ただし、 SWB VII のみはメタル量系列である。SWB0 と SWB IV の A, B は新しく 導入された。

 若い HIIR (SWB 0)が最も青くはない 

 最も若い HIIR が二色図の左上隅にあるわけではない。それらは (U-B, B-V) = (-0.6, -0.2) 付近にいる。LMC で最も高励起の NGC 1714 (N4A), 30 Dor (NGC 2070), NGC 2032 がそれらである。これは輝線の相対強度とそれらの UBV フィルター内での位置による。
 赤色超巨星 

 SWB I で赤色超巨星が出現する年齢 10 Myr 付近の星団は B-V が非常に赤く なる。それは SWB I の分布が図上右に伸びていることに表れている。

 SWB IVA と IVB 

 SWB IV が IVA と IVB に分かれる原因はおそらく、ヘリウムフラッシュの 出現 Bica et al. (1991), Corsi, Buonanno, Fusi Pecci, Ferraro, Testa, Greggio (1991) と関係すると思われる。

 Reticulum cluster 

 レチクル星団 (Sersic 40/3)は銀河系球状星団と同程度の年齢 Gratton, Ortolani 1987 を有する LMC 星団と考えられる。この星団には RR Lyr が存在する。それで この星団は SWB VII とした。ただ、この星団のカラーは SWB V なのである。 Demers, Kunkel 1976 の明るい前景星 No 26 は測光ダイアフラムから外して ある。この低メタル星団の異常に青い B-V カラーは色等級図からも分かるが 巨星枝が貧弱なためである。銀河系球状星団での対応天体は NGC7492 である。 この天体の積分カラーは (U-B, B-V) = (0.23, 0.42) で、もし LMC にあったら SWB IVB に分類されたろう。

 SWB VII 候補星団 

 表1には SWB VII 相当領域に 37 星団がある。大部分は初登場である。これら は銀河系球状星団に対応する天体の可能性がある。それを確認するには、CMD の 観測と、 RR Lyr の探索が大事である。

 3 - 10 Gyr ギャップ 

  Jensen, Mould, Reid 1988 が指摘した 3 - 10 Gyr 年齢ギャップの内部に存在する唯一の星団は ESO 121SC3



図2.(a) = 星団。(b) = アソシエイション。三角=輝線ガスなし。丸=輝線 ガスあり。黒丸=非常に高励起な HIIR. 黒三角=赤色超巨星を含む。 黒四角=レチクル星団(球状星団)黒菱形=N49(SNR). 矢印は E(B-V) = 0.2 の脱赤化線。

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.


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