グリーンバンク望遠鏡 (GBT) HIIR 探索サーベイは l = [343,67], b = [-1, 1] の 既知 HIIR 数を倍加した。我々は 9 GHz = 3 cm 電波再結合線で 448 天体に 603 点源を確認した。観測天体は中間赤外と 20 cm 連続波マップから選ばれた。 それらはほぼ確実に HIIR である。それらの 95 % から水素再結合線が検出された。 この論文では星雲の再結合線と連続波のカタログを発表する。サーベイ限界、9 GHz で 180 mJy, は O-型星一つから作られる HIIR を 12 kpc まで検出可能である。 | これら最近発見された星雲は、天空上で過去に発見された HIIR と同じ分布 を示す。新しく発見された星雲は一般に暗く、小さい。角サイズは小さいが、 それらは極端に若い HIIR との空間相関が殆どない。これは我々の天体が 様々な進化段階を含むことを意味する。視線速度が負の HIIR を第1象限に 34 個発見した。それらは太陽から非常に遠く、アウター腕に属するものらしい。 GLIMPSE 8 μm 「泡」天体 208 個に再結合線を検出した。銀河系 HIIR の 50 % は 8 μm で「泡」状形態を示すことが判った。 |
HIIR とは HIIR は O-, B-型星の周りにでき、それらの星の寿命は 10 Myr 程度である。 HIIR は中間赤外から電波にかけて最も明るい天体で、全銀河円盤から検出可能 である。そのため、 HIIR は星形成域および渦状構造の追跡子として有用である。 さらに、その化学組成は現在の星間空間の組成を反映する。 再結合線から運動距離 HIIR の再結合線は運動距離の決定を可能にする。その結果得られる HIIR マップ (Downes et al 1980, Anderson, Bania 2009 ) は銀河系構造をなぞる。 連続波 電波連続波は距離と合わせて、電波光度=星のスペクトル型を、実サイズは 進化段階を与える。 連続波 HIIR サーベイ Sharpless 1959, Gum 1955, Rodgers et al 1960 のシュミット観測を利用 した HIIR サーベイは減光のために太陽から数 kpc 以内に限られていた。 電波連続波によるサーベイは 1950 年代に始まり、連続波源の多くが HIIR で あると分かった。例えば Westerhout 1958 カタログの 74 点源中、55(75%) は HIIR である。残りは 11 SNR, 7 銀河であった。30/55 は既知の可視 HIIR で あった。 |
再結合線サーベイ Hoglund, Mezger 1965 は M17 とオリオン星雲から H109α ラインを 検出した。この波長では銀河面が透明な為、全円盤サーベイが可能となった。 その結果多くの再結合線サーベイが行われた。特に重要なのは、再結合線から 導かれる電子温度から、金属量勾配が発見されたことである。しかし、この サーベイはほぼ終了したと言える。 UCHIIR 最近は UCHIIR に関心が集まっている。 Wood, Churchwell 1989, Hughes, MacLeod 1989 は IRAS カラーを用いて UCHIIR 候補を選んだ。 この選定法は後の電波連続光、電波ラインの観測により確認された。 HRDS しかし、HIIR 探査はまだ完全ではない。 Giveon et al (2005), Giveon et al (2008) は、MSX6C, VLA 5 GHz 連続光、GLIMPSE を組み合わせて HIIR の同定を行っ た。 銀河系スケールでの高分解 能の赤外、電波観測に NRAO グリーンバンク望遠鏡 (GBT) の高性能を組み合 わせて、 GBT HIIR Discovery Survey (HRDS) (Bania et al 2010) が開始さ れた。HRDS は l = [343, 67], b = [-1,1] の 168 deg2 を目標 としている。Bania et al 2010 は 448 ターゲットから 9 GHz (3 cm, X-バン ド)で 603 個の独立な再結合線を検出した。ここでは、測定された GBT HRDS 星雲からの再結合線のカタログを示す。 |
使用するサーベイ ターゲット選択に使用したサーベイは以下の通り: (1)VGPS (Stil et al 2006): NRAO VLA 21 cm HI, 連続光 Galactic Plane Survey.l = [17.5, 67.5], |b| < 1.3 - 2.6. 分解能 1'. (2)NVSS (Condon et al 1998): NRAO VLA Sky Survey 20 cm 連続波 サーベイ。 δ > -40 の全天。角分解能 45". (3)SGPS (Haverkorn et al 2006): 南銀河系 HI サーベイ HI 21cm, 連続波。 ATCA による南天版 VGPS. 角分解能= 100". l = [253, 358] b = [-1,1]. (4)MAGPIS (Helfand et al 2006): VLA 20 cm 連続波。 l = [5, 48] b = [-0.8,0.8]. 角分解能 5". (5)MIPSGAL (Carey et al 2009): スピツアー 24 μm ターゲット選択基準 ターゲット選択規準は、 (1)24 μm MIR と 20 cm 連続波位置が一致する。大きさ、形も似る。 (2)外挿した F(9 GHz) > 70 mJy (3)以前の再結合線探査で HIIR と知られていない。 (4)PN, SNR, パルサー, LBV と知られていない。 中間赤外と連続波の双方で検出される天体は熱放射の可能性が強く (Haslam, Osborn 1987, Broadent et al 1989) 多分 HIIRs か PNe であろう。 電波データ 電波連続波では VGPS データを主に用いる。VGPS は GBT 観測 を ゼロスペーシング情報の補完に使用するので、大小のスケールの情報を 備えている。l = [358, 17.5] は NVSS に頼る。NVSS はゼロスペーシング情報 の補完を欠くので大きくて拡散した放射は捕えられない。l = [343, 358] は SGPS を使用する。SGPS はゼロスペーシング情報をパークスから得ている。 連続波構造が入り組んでいる領域では正確な位置を得るために MAGPIS を 使う。 |
赤外データ MIPSGAL は l = [293, 67], b = [-1,1] で角分解能は 24 μ で 6" である。 MIPSGAL は銀河円盤向こう側縁の HIIR を検出可能である。HIIRs の 24 μm は(1)GLIMPS 8 μm と同じ HIIR PDR から出る熱輻射、(2)電離ガスと 空間的に重なる、小グレインからの UV 光ストカスティック加熱放射、 の重ね合わせである。24 μm では両者の強さはほぼ等しい。(Deharveng et al 2010) 我々は GLIMPSE 8 μm データも使用する。GLIMPSE の観測領域は MIPSGAL とほぼ重なるが分解能が 2" である。8 μm バンドには PAH 放射も加わる。 PAH は PDR の良い追跡子である。 |
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