銀河学校2019

銀河学校2019は2019/3/26-29の4日間にわたって開催され、全国の高校生26名が参加しました。
高校生たちは2つの班に分かれ、 「A. 誰が起こした大爆発?」、「B. 宇宙で一番アツい星?」というテーマに挑戦しました。 シュミット望遠鏡を用いた観測と天文学の本格的な研究を行い、それぞれの班が優れた結果を出すことができました。 3泊4日のハードなスケジュールをこなしながら、高校生同士やスタッフ・TAとの交流を深めていました。  各班のテーマはこちらこちらをご覧ください。
 

 


銀河学校2019スナップショット

各班のテーマ

A班: A. 誰が起こした大爆発?

 夜空に輝く天体は静かに長い時を輝き続けるものたちばかりではありません。時に星々は巨大な爆発現象を起こし、ほんの一時だけ一際明るく輝きます。華々しく宇宙を彩る爆発現象には様々な種類のものがありますが、それらの爆発がどのような星の引き起こしたものなのか、正体を知ることは容易ではありません。観測される天体爆発の多くは天の川銀河の外の遠い宇宙で発生しており、また爆発が起こった後には元の星の姿は残らない場合が多いためです。
 この班では爆発現象の正体を知る重要な手がかりである”母銀河”(爆発の発生場所となった銀河)の観測を行います。天の川銀河の外で発生する天体爆発も大半の場合は何らかの銀河の中で起こります。宇宙に散らばる銀河には様々な種族があり、銀河の種族によって内包している星の種類に違いがあるため、天体爆発がどんな銀河で発生したかを調べればその爆発の元がどんな星であったか推測できるのです。多くの天文学者の注目を集めた歴史的爆発現象の現場を調べ、どんな星が爆発を引き起こしたのか考えましょう。

B班: 宇宙で一番アツい星?

 夜空には色とりどりの星たちが輝いています。星たちの色は主に星の温度に対応しています。赤い炎よりも青い炎の方が温度が高いように、赤い星よりも青い星の方が星表面の温度が高いのです。太陽の温度はおよそ 5,800 K ですが、赤い星で有名なオリオン座のベテルギウスは 3,500 K 程度しかありません。一方で、青い星として知られているおとめ座のスピカは表面温度が 20,000 K 近くあると考えられています。このように一般には星の色を調べることで星の温度を知ることができるというわけです。
 さて、宇宙で最も温度の高い星の表面は一体何度になっているでしょうか。また、どうすればそのような高温の星の温度を調べることができるでしょうか。実は星の温度が高温になってくると星の色から温度を決めることが難しくなってしまいます。そこで、この班では惑星状星雲という天体に注目して、その中心にある星の温度を調べます。惑星状星雲のように水素原子ガスに包まれた天体では、天体からの光と水素原子ガスからの光を組み合わせることで中心にある星の温度を推定することができます。惑星状星雲の中心にはどんな温度でどんな大きさの星がいるのかを考察していきたいと思います。


『銀河学校2019』は、「NPOサイエンスステーション」の主催で、「子どもゆめ基金」の助成を受けて開催されました。


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