銀河学校2010

銀河学校2010 テーマ

 銀河学校2010は、2010年3月28日(日)-31日(水)の4日間にわたって開催さました。全国から集まった 高校生が、3つの班に分かれ、以下のようなテーマに挑戦しました。


宇宙の雪だるま、彗星の進化を探れ

 彗星は、太陽に近づくと、雄大な尾をたなびかせ、個性豊かな姿で私たちを楽しませてくれます。なぜ太陽に近づいた時に尾ができるのか?それは、彗星の本体(核)が、氷と塵(ダスト)でできていて、「汚れた雪だるま」とも言われる天体だからです。現在観測されている彗星の多くは、6-7年で太陽をまわっていて、近いときは地球軌道付近(1天文単位)、遠いときは木星軌道付近(5天文単位)にいます。太陽に近づくということは、強く熱せられることを意味します。そうすると雪だるまは融けだし、ガスが放出されます。さらに、ガスに押されて塵も放出されます。このガスや塵が、尾となって観測されるのです。つまり、彗星は自分の身をけずりながら、あのような美しい姿を見せているのです。では、彗星はいつまで彗星としての姿を保てるのでしょうか?いつかは、春の雪解けのように、なくなってしまうのでしょうか?これは、現在でも明らかになっていない謎です。
 この班では、105cmシュミット望遠鏡を使って、彗星の観測をします。過去に木曽観測所で観測されたデータも使い、彗星の活動(塵の放出)が、太陽からの距離によってどのように変わるかを調べます。その結果をもとに、彗星はこの先どのようになっていくのか、また逆に、過去の姿はどのようなものだったのか等、彗星の進化について考えていきます。


ポラリスフレア ー天の川の巨大フレア構造を探れー

 天の川は日本では古来より知られており、万葉集にも「あまのかわ」としてしばしば登場します。現在では、天の川は私達の太陽系が所属する銀河(天の川銀河)を内側から見た姿であり、川のように見えるものはすべて無数の星の光からなることがわかっています。私達に最も近い銀河である「天の川」の姿を、他のいくつかの銀河と比べてみます。どちらも中心が膨らんだドラ焼きのような円盤の形をしています。しかし注意深く見てみると、天の川には円盤の厚み方向(銀河の緯度方向)に湧き上がり燃え上がるような(フレア)構造がいくつも確認できます。こうした構造は他の銀河には見られません。なぜ天の川にだけフレア構造があるのでしょうか?また、この構造はどうやって作られたのでしょうか?
 この班では、105cmシュミット望遠鏡を使って、天の川に見られる代表的なフレア構造である「ポラリスフレア領域」を観測し、その正体を探ります。今回はポラリスフレアに含まれる塵(ダスト)により背景の星が隠されることを利用して、塵の量を推定することを研究の足がかりにします。 ※ポラリスとは北極星のことです。ポラリスフレアは北極星からおおぐま座の方向にかけて分布しています。


銀河系の姿を探れ!

 われわれの太陽、地球、その他の惑星などがふくまれる太陽系は、2000億個ともいわれる夜空を構成する恒星とともに、「銀河系」という星のあつまりのなかに存在しています。そして、「銀河系」はアンドロメダ銀河やマゼラン星雲などと同じ銀河のひとつと考えられています。
 それでは、「銀河系」に住んでいるわれわれにとって、「銀河系」は、どんな事柄についても最もよくしらべることができる銀河なのでしょうか。実はそうではありません。太陽や月が丸い形をしていることは太古の昔からわかっていました。しかしながら、地球が丸い形をしていることは、15世紀のコロンブスが航海した時代でもはっきりしていませんでした。これと同じく、われわれ人類は、未だかつて「銀河系」を外側から見たことがありません。そのため、形や大きさ、構造について、よくわからないことが多いのです。
 この班では、105cm望遠鏡でとられた画像から「銀河系」の構造や大きさを調べます。多くの銀河には渦巻きの形が見られます。われわれの「銀河系」には、この様な構造が見られるのでしょうか。また、大きさはどのくらいなのでしょうか。そして、われわれの太陽系は「銀河系」のどのあたりに存在しているのでしょうか。みんなで撮った観測画像から、これらの謎をひとつずつ、あきらかしていきましょう。


銀河学校2010の様子

3月28日 (1日目)

あいにくの天気の中、全国から集まった生徒の皆さんの到着です。

ちょっと緊張した雰囲気、銀河学校2010の開校です。これから一緒に研究をする仲間に自己紹介。
共通項は、星や宇宙が好きな高校生。

3つの班に分かれ、自分たちの研究内容について学びます。

望遠鏡見学。全国の研究者も使っている木曽105cmシュミット望遠鏡を使って観測を行います。


(この日は、悪天候のため、観測できませんでした。予備データを使って実習を進め、翌日観測をしました)



3月29日 (2日目)

パソコンを使って、データ解析。慣れるまでは大変ですが、やりだしたら楽しくなってくる!?
実習は、大学生、大学院生のTA(Teaching Assitant)がサポートしてくれます。

集中とリラックスのメリハリが大事。コーヒーブレイクでみんなと交流。

自分たちの頭の中の整理もかねて中間発表。他の班の仲間に、研究内容を紹介します。
コーヒーブレイクで打ち解けたおかげで議論も白熱。


月が明るく、少し雲もありましたが、観測実習。
操作の説明を受け、自分たちで望遠鏡やカメラを制御し、データを取ります。

データを取ったら、解析、解析、解析、、、

がんばりすぎて(笑)



3月30日 (3日目)

3日目の午後は発表会です。解析結果をもとに議論。研究内容をまとめにかかります。

ホワイトボードは、努力の結晶!


発表会、銀河学校の集大成の場です。活発な質疑応答で、お互いの研究の理解を深めました。
[下段中]終わって伸び〜、お疲れさまでした。[下段右]終わってからも議論が続いてました!

3日目の夕食は、交流会。研究のこと、学校のこと、趣味のこと、、、話はつきません。
また、TAの皆さんが、楽しい企画も用意してくれました。


星や宇宙に興味があるみんな。実習中は、解析三昧で夜空を楽しむ暇がありませんでした。
今夜は、ちょうど満月。木曽の夜空を堪能してください。[上段右]月明かりで写真撮影。
星を見て、仲間と語って、、、そのまま朝を迎えた人も![下段中]持っているのは霜柱。



3月31日 (4日目)

最終日、まとめの講義を受けて、修了書をもらいます。
この経験が、皆さんのこれからの人生に、役立つことを祈ってお別れです。



TA


 銀河学校では、大学生、大学院生がTA(Teaching Assistant)として、実習をサポートしてくれます。
それだけでなく、講義をしたり、盛り上げ役になったり。そのため、TAも事前に打ち合わせをしたり、
実習内容の予習もして、銀河学校に臨んでいます。
 TAの皆さんは、銀河学校の卒業生です。銀河学校の楽しさから大変さまで、身をもって経験しているので、
的確なアドバイスをしてくれます。また、進路などについても相談にのってくれます。
 TAの皆さん、ありがとうございました。

『銀河学校』は、「子どもゆめ基金」の助成を受けています。

『銀河学校』は、「NPO法人 サイエンスステーション」が共催しています。
サイエンスステーションのページに 当日のレポートがありますので、合わせてご覧ください。

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